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第94話:残念なお茶会
「そろそろ、私を引きずり下ろそうって声が出てもおかしくない頃ですね。」
バレルは紅茶の茶葉を選びながら言った。
本当に“お茶会の準備”を始めていた。
反対勢力による総理解任の動議が提出され、 メディアにも緊張が走った。
だが、市民達が一斉に声を上げた。
「彼を失うわけにはいかない。」
「この国をここまで導いてきた人です!」
弟子たちも、即座に議場に嘆願書と署名を持ち込み、 市民たちによる支持集会が自然発生的に全国各地で起きた。
結局、解任動議は否決。
反対派は追い風どころか、逆風に飲み込まれた。
そして、その日の午後。
広場では、いつものように、 バレルと市民たちによるお茶会が開かれていた。
「いやあ、楽しみにしてたんですけどねぇ、議論とか。」
銃尾は、いつも通りバレルの背中にぴったりとくっついていた。
「仕方ない、今日は市民と紅茶の話でもしましょうか。」
カップを掲げたバレルに、 笑顔と拍手が返ってきた。
彼の政権は、今日も安定していた。




