第69話:産むこと、育てること、戻ること
「働くことだけが政治じゃないんです。休むことも、同じくらい大切です。」
政庁の会議室。
バレルが掲げたのは“妊娠・出産・育児支援法案”。
・妊娠中の休職と医療支援制度の整備
・育児休暇の男女問わぬ取得促進
・職場復帰に向けた時短勤務・再研修制度
・子育てとの両立を支える在宅勤務の導入
「今までは“子どもがいるから働けない”という声ばかりでした。 でも、それは“制度がないから”だったんですよ。」
議会では拍手が湧き、母親魔族協会や若手育児団体からも賛同の声が殺到。
「私は、子どもを産む前と同じように働けるって言ってもらえました。」
「夫も、育児休暇を取ってくれたんです。」
バレルは、復職支援施設の開所式で語った。
「子どもを持つということは、未来を引き受けるということ。 政治が支えなきゃ、意味がないんです。」
施設の中では、赤ん坊の泣き声と共に、復職研修に励む親たちの笑顔が広がっていた。
バレルはそっと銃尾を撫でる。
「これが撃たれない未来のための、一番の仕事かもしれませんね。」
今日も魔界のどこかで、小さな命が生まれている。




