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第60話:始まりを支えるというこ
「終わり方が整ったら、次は“始まり”ですよね。」
バレルが目を通していたのは、人口統計と出生率のデータ。
「子どもが生まれるって、国が未来に投資してくれてるってことです。」
新たに提案されたのは、“子育て支援金制度”。
出産時の一時金に加え、月ごとの育児補助金、保育支援費用、教育初期支援の給付。
「特に多子家庭には手厚く。“育てる”ってすごいエネルギーがいるんです。」
議会では一部保守派からの反発もあった。
「甘やかしでは?」
「労働力として使えないうちは無駄では?」
バレルは真顔で返す。
「人を“労働力”って呼ぶ時点で、その発想は廃止です。」
「未来の担い手を“育つまで待つ”ことができないなら、政治なんてやめた方がいい。」
法案は可決。
施行後、登録された魔族家族から歓喜の声が寄せられた。
「これで、ちゃんと十三人目を迎えられます。」
「魔界で子どもを育てる未来が、少しずつ現実になってきました。」
支援金の申請窓口には笑顔の若い夫婦や、泣きじゃくる赤ん坊をあやす母親の姿。
「……いいですね。未来って、こういう声でできてる。」
バレルは、今日も新たな“始まり”を支えていた。




