第57話:未来に銃尾を託す日
「育てましょう、政治家を。」
そう口にしたバレルに、政庁内はしばし静まり返った。
「……とうとう総理、弟子取りですか?」
「まぁ、弟子って言うか。後輩って言うか。未来への布石ってやつです。」
銃尾による政治改革が広がる中、“バレル式”を支える人材の育成は急務となっていた。
バレルは新制度として、“政治実務研修制度”を発足。
全国から志ある若者や転職希望者を募り、 法案作成、現場視察、民意の吸い上げ、対話と妥協の技術を学ばせる実践型の育成コースを開始した。
講師陣には、カルミラや魔権派の長老たちも名を連ねる。
「政治に必要なのは、理想と実務、そして胆力です。」
バレルは自らの経験を惜しげなく語り、時には尾で板書し、時には一緒に炊き出しをしながら、 弟子たちに問いかける。
「誰かの代弁をするなら、その“誰か”とご飯食べたことありますか?」
「議論で負けても、拳で黙らせちゃダメですよ。俺は特例です。」
日々鍛えられる新世代。
中には、かつて孤独院で育った若者の姿もあった。
「将来は……総理の隣に並びたいです。」
「おう、じゃあまず俺を超えなきゃな。」
未来は、ただ見守るものではなく、育てるもの。
バレルは今日も、未来に銃尾を託している。




