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第50話:歓迎は、信頼の証として
「次は、移民です。」
バレルはそう言って、移民受け入れ政策を打ち出した。
「職を求めて来る者には、職を。安らぎを求めて来る者には、屋根を。未来を求める者には、教育を。」
だが一方で――
「悪意を持って入り込んだ者には、“報復”を。」
補佐官たちは一瞬、息を飲んだ。
「我々は優しいだけじゃありません。共に生きる意志のない者には、それなりの対応をさせてもらいます。」
制度として、移民申請時の魔力検査・適性面談を義務化。
同時に、共住庵のような受け入れ先を拡充し、語学・文化講習、職業訓練を含む定住支援パッケージが整備された。
ある者は鍛冶場に、ある者は医療局に、ある者は芸術の町へと――
「……本当に、混血でも、よそ者でも、ここにいていいんですか?」
「必要なのは、その問いじゃない。“どう生きたいか”を聞かせてほしい。」
バレルの町は、徐々に多国籍の顔を見せ始めた。
一方で、悪意を持って潜入した一団は、銃尾により即日拘束。
「歓迎するし、信頼するけど、舐めるな。」
明確な善意と抑止の線引きが、町の安定を支えていた。
「一緒に生きるってのは、優しさだけじゃできません。責任と覚悟が必要なんです。」
今日も町には、新たな言語が交じり合う声が響いている。




