第48話:人が育つ、国が育つ
「交流ってのは、物だけじゃなく、人も含まれますよね。」
バレルの新たな提案は、人材の“輸出”と“留学”だった。
「我が国からは、孤独院で育った優秀な若者たちを留学生として送り出します。」
「代わりに、他国からは技術者や文化人を招いて、交流を深めたい。」
評議会では驚きの声が上がる。
「子どもを海外に送るとは……危険では?」
「彼らはもう、支えられるだけの存在ではありません。学び、成長し、次代の礎になる力を持っています。」
この言葉に、ファルメリアとナゴス連邦が即座に協力を表明。
「教育分野においては我が国が先んじています。魔術学舎に受け入れ枠を設けましょう。」
「我々は工学・鍛冶の分野で人材派遣を準備します。」
やがて各国で“交換留学制度”が正式に立案され、 国ごとに特化した分野を活かす形での“人的交流”が始まる。
孤独院の子どもたちの目は、外の世界へと向けられていた。
「魔界の他の国、行ってみたい!」
「今度は私が、誰かに学んだことを教えるんだ。」
その姿を見たバレルは、静かに頷く。
「国は壁じゃない。通り道であり、教室であり、遊び場であるべきなんです。」
銃尾の町は、いまや“人の循環”をつなぐ結節点となっていた。




