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第47話:制度という種を、他国にも
「今回は、政です。」
バレルは評議会の席で、きっぱりとそう言った。
提示したのは、自国で導入された“最低生存支援金制度”と“就学支援制度”の国際展開案。
「どこの国でも、人は生きているだけで価値がある。それを保障する仕組みが、今ここにあります。」
一部の保守国代表が反論した。
「だが、それでは国が甘やかしすぎる。怠け者を増やすだけでは?」
バレルは、微笑んだ。
「ご安心を。すでに実証済みです。我が国では、支援を受けた者のうち、七割が自立への道を選びました。」
「金だけ配っても意味がない。教育が伴って初めて効果を持つんです。」
中立国ファルメリアの代表が頷いた。
「貴殿の“共住庵”の報告、感銘を受けました。まずは我が国にて試験的導入を……。」
続いて、ナゴス連邦の議員も賛同を示す。
「特定地域に限って支援金と就学支援を組み合わせ、制度として成立するか検証可能と判断します。」
反対の声は根強かったが、着実に“社会保障”という概念が広がっていく。
バレルは締めの言葉として、こう述べた。
「銃尾は戦うための道具ですが、今は人を“守る”ためにあります。」
「選択肢を作ることが、俺たち政治家の役割です。」
評議会場に、静かな拍手が広がった。




