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第44話:銃尾で縫って届ける日
「バレルの炊き出しが目立ちすぎだ!」
敵対国の政庁が慌てて食糧支援を開始し、貧民街にもついに“国の財布”が開いた。
「よかったですね。飢える人が減るのは何よりです。」
そう言って、バレルはまた新たな“遊び”を始めた。
「今回は衣類のリサイクルです。」
彼の指示で、各国の貴族や市民から“不要になった衣類”を回収。
仕立て直し工房が設けられ、熟練の裁縫士と魔術師がタッグを組んで、再利用衣服の修繕・改良が進められた。
「このマント、元は王宮用だってよ。」
「ほんと!? ちょっと誇らしいかも!」
新しい服を手にした子どもたちは、誇らしげに胸を張った。
「尾に引っかかるサイズも調整済です。」
「ほら、動いても脱げにくいでしょ?」
貧民街に設けられた“銃尾リフォームキャラバン”は大盛況となり、 服を届けに来た市民と、受け取る側が自然と話を交わす光景も生まれた。
「この生地、私も昔着てたの。大切にしてね。」
「うん! お姉ちゃん、ありがとう!」
バレルは尾で針を持ち、刺繍を施していた。
「“繋がる”ってのは、こういうことなんでしょうね……ほら、楽しいでしょう?」
財布の紐は、また緩んだ。
銃尾は今日も、針となり、糸となり、人々を繋いでいった。




