第39話:芸術、魔界を巡る ~財布は再び開かれる~
バレルの支援によって生まれた奇抜かつ独創的な文化は、徐々に国境を越えて広がり始めた。
「この巨大銃尾像、うちの都市にも一体ほしい!」
「尾で演じる詩劇『無言の銃口』、我が国の劇場でも上演したい!」
支持国を中心に、文化交流協定の締結が次々と成立した。
だが当然、反対の声も上がる。
「これは芸術ではない、混沌だ!」
「純血の品格を貶める戯れに過ぎん!」
特に保守派国の評議員は、バレル支援の作品群を“精神汚染兵器”とまで揶揄した。
それに対して、バレルは記者会見で笑顔を浮かべてこう語った。
「まぁ、当たってるっちゃ当たってますよ。心をぶっ壊す新しい刺激ですから。」
そして、彼は次なる散財対象を発表した。
「というわけで、“遊び”にも投資しましょう!」
設立されたのは、“魔界創玩局”。
異種族でも楽しめる知育玩具、魔力反応型の音楽ブロック、反重力けん玉、 果ては“尾を付け替えて楽しむ着せ替えセット”など、狂気と才能が混ざり合った“魔界玩具”が続々と生産された。
子どもたちの笑い声が、各地の市街地に響く。
「町長ー!この新しい玩具、銃になるんだよー!」
「それ危ないやつでは!?……まぁいいか。」
文化と遊びが、国を繋ぐ架け橋となっていった。
芸術が争いを生むこともある。
だが、その火種から生まれるものもまた、未来だった。




