第36話:歪んだ模倣、正すは銃尾の道標
「報告です。エルクドミール王国で、“バレル式制度”の模倣版が施行されたようです。」
その一報に、政庁内がどよめいた。
エルクドミールは反対国――純血至上主義の牙城。
「どうせ、形だけ真似したんだろうな。」
バレルは即座に視察を決定した。
数日後、エルクドミールの首都を訪れたバレルは、制度の“歪み”を目の当たりにする。
「ここが“再教育機関”です。だが混血は別棟に、内容も基礎魔力強化訓練ばかり……。」
案内人の言葉を遮るように、バレルは低く言い放つ。
「それは“差別の再構築”だ。」
視察中、彼は混血職員たちと面会し、直接声を聞いた。
「形だけです。バレル式と言っても、何一つ中身はない。」
「でも、制度の名前を借りて正当化されてる……。」
その夜、王国の公開討論会に招かれたバレルは、壇上で語った。
「模倣は歓迎します。でも、“理念”までコピーしないなら、それはただの偽物です。」
尾が銃へと変わり、演台を軽く叩く。
「俺が作った制度じゃない。民が作った希望です。利用するなら、ちゃんと向き合ってください。」
翌日、エルクドミール国王は矯正改革の再審査を発表。
混血と純血を隔てない訓練体制の確立を目指すと約束した。
帰路の空路で、バレルは呟いた。
「うまくいってほしいから、撃ちに行ったんだ。これが、俺なりの“外交”です。」




