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第33話:進化の代償、響くのは再生の声
“銃尾連盟”成立から三ヶ月。
連盟諸国では急速な技術革新と流通網の拡大が進み、経済成長率は過去最高を記録した。
だが、その成長の陰で“仕事を失う者”も増え始めていた。
「自動魔導輸送機に仕事を奪われた……。」
「新しい魔力変換炉で、俺たちの職場が閉じられたんだ。」
庶民の声は、やがて意見徴集局に殺到し、バレルのもとへ届いた。
「便利にした結果がこれか……。」
バレルは短く呟き、すぐに補佐官たちと対策会議を開いた。
「再教育制度を作ろう。失職者を新技術分野に移行させる仕組みを。」
ナーヤが頷く。
「研究施設の補助員、魔道物流管理、魔力再処理……新しい職種はいくらでもある。」
「俺たちの町で、“変化”が苦しみにならないようにする。それが俺の責任だ。」
一方、市民の間でも、動きがあった。
かつて失職した職人たちが、自ら職業訓練所を立ち上げ、後進の育成を始めたのだ。
「新しい時代に、俺たちなりの形で追いつくんだよ。」
その輪は、やがて連盟全体へと広がっていった。
技術と職の“衝突”は、新たな“融合”として進化を始めていた。
バレルは政庁の屋上から、夜の街を見つめていた。
「変化は必ず痛みを伴う。でも、それを共に超えるって決めたんだ、俺たちは。」




