第30話:敵と友、評議の座にて
評議会の初日が終わったあと、バレルの提案を巡って魔界中で議論が巻き起こった。
その中で、バレルへの“立場”が次第に明確化していく。
【支持国】
◆クルガナス国(技術魔王):冷静な現実主義者であり、バレルの政策に含まれる“技術共有”や“民間主導の研究支援”に強い関心を示している。
◆ベルトーラ国(軍事魔王):最初は懐疑的だったが、“民の意見を軍事資源として活かす”という視点に感銘を受け、賛同に転じた。
◆冥界境界国(灰の王ラザーレ):言葉の力を試したがる変革主義者で、バレルの理念に興味を抱いている。“次代”の可能性を重視している。
【中立~慎重派】
◆ファルメリア国(文化至上国):混血差別をあまり持たないが、制度変化に慎重。観察を続けながら様子見を決め込んでいる。
◆ナゴス連邦(商業重視国):バレルの政策によって貿易がどう変化するかを注視しており、実利次第でどちらにも傾き得る立場。
【反対・対立国】
◆エルクドミール王国(純血至上主義):旧王朝に連なる貴族たちが政権を握っており、混血政策に断固反対。バレルを“魔界の病巣”と位置づけている。
◆レグルス武帝国(強硬軍政):討議や意見ではなく“力”を信奉しており、言葉を重視するバレルを“無意味な理想主義者”と嘲っている。
バレルはその情報を前に、肩をすくめた。
「これ、俺がどうこうしなくても勝手に線が引かれるんですね……。」
セヴァルが苦笑する。
「でも、味方がいるのはいいことです。少なくとも、あなたの声は届いてる。」
バレルは一つ息をつき、銃尾を肩に乗せた。
「届いたなら、次は“響かせる”だけですよ。」




