第23話:声を継ぐ者たち、光を浴びる日
魔界中央学府にて、初の“若者政策講演会”が開催された。
主催は若手研究者・技術者たちで構成された「未来設計会議」なる団体。
構成員の多くが混血であり、バレルの制度改革を契機に社会に進出した者たちだった。
そこに、特別講師としてバレルが招かれた。
「えー……本日は、呼ばれたので来ました。できれば聞いてるだけでいたかったんですが……。」
そんな前置きに、場内から笑いが起こる。
続いて登壇したのは、かつて“寒冷魔導都市構想”を提案したナーヤ。
彼女は現地で試験都市の建設を成功させ、その報告を堂々と語った。
「住民の九割が混血ですが、魔力効率は既存都市の一・二倍です。」
次に話したのは音声魔術のセヴァル。
「音による感情制御術を導入したことで、魔獣の暴走率が四割減少しました。」
会場がどよめく中、後方の席ではバレルが静かに見つめていた。
「……あれ、俺より上手く話してるな。」
隣にいたシェイランが肩を揺らす。
「ふふ、嫉妬かの?」
講演後、複数の名士が声をかけていた。
「資金提供を検討したい」「うちの領に誘致できないか」
中にはかつて混血を排斥していた旧家の若手後継者も。
「時代が変わったのではない。変えられると知ったんだ。」
その言葉に、バレルはほんの少しだけ口角を上げた。
若者たちの背中が、眩しかった。




