第20話:波紋は巡り、才能は芽吹く
カラミルの帰還とフィルネスの研究承認は、魔界中に大きな話題を呼んだ。
その中で、改革派にとって“予想外の爆発”が起きる。
――混血支持派の中から、過激な“弾頭派”が現れたのだ。
彼らは魔導通信で声明を出し、各国で抗議行動を展開。
「混血の権利を即時に法で保障せよ!」
「純血主義者は時代の亡霊だ!」
その過激さは、混血の市民たちすら困惑するほどだった。
「……俺はこういう連中に“担がれたくない”んですけどね。」
苦笑しながらバレルは、あえて彼らを否定せず、ただ一言だけ公に言った。
「過激さではなく、“結果”が世界を変える。そこを見誤るな。」
その冷静な対応は、多くの民の共感を呼び、むしろ“中道的改革派”としての立ち位置をさらに強固にした。
一方、風に乗って現れたのは、新たな才能たちだった。
魔界北端の雪原都市から来た混血の建築魔導士ナーヤ。
「寒冷地でも暮らせる魔導都市構造、試してみません?」
冥界との境界村から現れた音声魔術の若き調律師セヴァル。
「音で魔力を制御する技術、魔獣にも応用できます。」
彼らはバレルの名に触発され、自らの“技術”と“信念”を持って表舞台に出てきたのだった。
「なんかもう……俺が前に出なくてもいい気がしてきました。」
シェイランがニヤリと笑う。
「若いの、導く者の役目は“舞台”を用意すること。お主はもう十分やっとる。」
波紋は巡り、才能は芽吹き、風は世界を変え続けていた。




