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定時

作者: おもちゃ箱

 これは知人から聞いた話です。

 Bさんが勤める会社は残業ゼロが基本だそうで毎日定時に帰宅しているそうです。残業しようにもできない環境で上司に定時には追い出されるそうで仕事が残っている場合は休日出勤を推奨されるそうです。

 何でも夜になると社屋に幽霊が出るとか出ないとか定かではないようです。

 そんな感じでBさんは決まった時間に会社を出るので乗る電車も毎日同じ時刻の列車に乗っていました。

 Bさんが遭遇したのはその電車の中のことだったそうです。ただ最初はそういうものだとは思っていなくてよく見かける乗客だなくらいに思っていたそうです。決まった駅で乗って来て決まった駅で降りる、そういった乗客だったそうです。

 そんな風に定時の電車で帰る日々でしたがある日電車が駅に向かう途中でブレーキをかけて止まりました。どうやら動物が線路に飛び込んできたそうです。再発進の間電車内を見渡してBさんはふと気づいたそうです。今日はいつもの人が乗ってきてないなって。

 そしてしばらくして電車は発進して遅れはしたが何事もなくBさんが降りる駅について無事に帰ることができたそうです。

 その人は次の日になると普通に乗車してきたそうでその日以外はちゃんと乗って来たそうです。そして電車が止まるようなことがあるとその人は乗ってこないのだそうです。

 Bさんにどういう人だったのかと聞いてみるとその人の顔がよく思い出せないのだそうです。乗ってこればその人だとわかるのだそうですかどういう人なのか聞かれてもわからないのだそうです。

 Bさんにどうせなら乗る電車を一本遅らせてみてはと提案するとBさんは急に怯え始めてこんなことをいったそうです。


「そんなことできませんよ! もしついてきたらどうするんですか! そうなったら電車が止まるのが私のせいになってしまうじゃないですか!!」


 今もBさんはその人と電車に乗っているそうです。

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