49. command
「上手くいったかなぁ」
ムリナ様がウロウロとしながらワタクシの部屋の中で考え込んでいます。
$su -
「正直マズイ気はしているんですよねン……。実現可能性はともかく、予算の都合が相当ヤバい気がしていましてねン。あの噂が本当ならァ……」
誰に言うでもなく、ぶつぶつと呟かれております。
Password:********
「信じる他あるまい」
窓から飛び込んできたニーチェ様がそう仰っしゃられました。
# whoami
「先程転移で見てきたが、やはりフラッドとアクティは杖の開発を進めている。完全に意固地になっているのか何なのか。私が何を言っても聞きはしなかった」
# root
「恐らく行動が固定化されてしまったんでしょうねン。目的だけがあったのが、方法まで用意されてしまったことで、自分の行動が正当化されているというか。とにかく、その考えを変えることは難しそうですねン」
#shutdown -h now
ふぅ、と足を止めて、ムリナ様がおっしゃいました。
「ともかく信じる事に致しましょう。きっと、あの方々の仰る、新しいルートが構築され―――――――」
Broadcast message from root@****
The system is going down for system halt NOW!




