33. もう一度やってみましたけれど
二回目。
まぁ、その。先程は完全にワタクシの落ち度でした。
という事で今回は発言によーーーーーーーーく気をつけて行動する事にしてみました。
倉庫に行くまでは同じ。問題はここからです。
「あのー、お父様、お母様?」
ドンドンとドアを叩くと、ガラガラガラ、とドアが開きました。
「誰……な、クレア!?何故ここに?」
暗闇の中からお父様が驚愕の表情で出てきました。横にはお母様、そしてその横にもう一人、杖を持って虚ろな目で空を見上げている誰かがやっぱりいらっしゃいました。これがその、組織の人間なのでしょうか?
「落ち着いて聞いてくださいまし。ワタクシ、シグニ王子からとある事を聞いて来ましたの」
「シグニから……?まさか」
「恐らくそのまさかです。その、お父様とお母様が、この国を、世界を破滅に導こうとしている、と……」
「……まさかシグニにまで伝わっているとは……行動を早め――」
「ちょ、ちょっっっっっっとだけお話を聞いてくださいまし!!」
ワタクシは冷静に話を聞いて下さるように、杖に手をのばすお父様を、その腕を掴む事で制止しました。その腕は冷たく、まるで生きていないかのように、ほんの一瞬感じてしまいました。……そんなこと、ございませんよね?ワタクシは自分にそう言い聞かせて本題へと入ります。
「その杖を取らないでくださいまし。その前に、ワタクシの話を聞いて欲しいのです」
「話を聞くだと?聞いてどうする。お前がシグニから何処まで聞かされているか分からないが、もし全てを聞いているのだとすれば、何を話そうと無駄だぞ」
お父様は冷徹にそう言い放ちました。
「私は全てに絶望している。妻以外の全てに。……聞いているぞ、シグニ王子との婚約、危ないようだとな」
「え゛っ」
ワタクシ自身は話した記憶ございません。ワタクシも、『元のクレア』も。
「噂で聞こえてきている。『シグニ王子は別の女にうつつを抜かしている、婚約破棄も間近』だとな」
それはワタクシに対して話しているにも関わらず、いや、ワタクシに話しているからこそでしょうか、実に冷ややかな口調でした。
「お前は出来が悪いとは思っていたが、まさかここまでとは思わなかった。せめて婚約だけでも成立すれば、私達の手で革命を成す道筋も出来ただろう。だがそれが叶わない以上、私達が出来る事は一つだ」
そういうと「退け」とワタクシの腕を振り払い、お父様は杖を手に取りました。
「お母様止めてください!!」
「黙りなさい出来損ない。これが私達の決めた道なのです。お前のような出来損ないにこれ以上邪魔されてなるものですか」
極めて冷ややかに。
汚いものを見るかのようにしながら。
吐き捨てるようにそう口にして。
お母様はそのままお父様に杖を渡しました。
「繝。繧ソ繝ォ繧ケ繝・ヰ繝サ繝イ繝サ繝溘ち繝サ繝翫き繝ュ繧ェ繝サ繝吶Ο繝帙・繧、繧ォ繧サ繝サ繧イ繧ス繧ス繝ェ繝輔・繝ャ繝輔・繝ィ繝サ繧キ繝」
いつもの呪文が放たれました。暗い影が私達の頭上へと掛かる中、ワタクシを指さしてお父様は言いました。
「辟。閭ス縺ェ螽倥h縲√%縺ョ蝗ス縺ィ蜈ア縺ォ逵繧・」
なんて?
ドォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォン!!!!!!!!!!!




