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16. 三日目はもうどうにもなりませんわ!!

 三日目。

 持ち込んだ布団から起き上がりますと、寮長が学校に行けと言ってきます。

 もう分かりきっている事なので慣れてしまいましたが、しかしこの後の事を考えると、気分は全く晴れません。憂鬱そのものです。

 ですが行かないわけにも行きません。学校に向かいます。食事は採れません。そんな余裕はありません。


 学校に向かうと、先生方が集会場へ向かうように言ってきます。逃げる方法が無いかを探ったりはしましたが、どこも生徒に塞がれていて進む事が出来ません。集会場へ行く事を強要されているようです。進行不能バグの対策が取れているようで何よりでございますわ。


 集会所に向かいますが、そこで起きる事については、もう語ることもございません。

 シグニ王子に追求され、追放が確定し、そのまま筏に乗せられる。これだけです。

 ワタクシに選択肢はございません。一応、ゴネれば牢屋に行ける事は判明しておりますが、結局退学からの追放という点では変わりがありません。


 筏に乗せられて「さて」と空を見上げますと、やはり隕石が落下して参りました。

 ドォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォン!!

 轟音と共にドセ・ワコレール校舎が跡形もなく吹き飛び、ワタクシの溜飲が少しだけ下がります。ですがその後すぐに、続け様に落ちてくる隕石で、ワタクシも海に投げ出され、そして意識が薄れていき――。


**********************


 海に落ちたクレアと会話が出来なくなったところで、画面に「GAME OVER」が表示された。

 やはりこのタイミングでエンディングを迎えてしまう。

 ゼシカ視点から見ても何も変わらない。選択肢は何も表示されず、ただ見ているだけのシーンだ。プレイヤーからは何も干渉が出来ない。

 なのに、一連のイベントが完了すると、隕石が落下してゲームオーバーへと突入する。

「かぁぁぁっ」

 俺は思わず持っていたコントローラーを投げた。

「全フラグに異常は無いです。フラグの設定ミスじゃないみたいですね」

「だろうな。なんせこのエンディング自体無いんだから」

「なんでこんな事になっているんでしょうね?……余りに酷い……」

 梨花がウルウルとした目で言った。どうやら完全にクレアに感情移入しているらしい。

「知らん。分からん。ああもう、涙は吹け。……しかし、実際、嫌になるな」

 俺は頬杖をついて画面と睨めっこする。

 NPCの動きについて確認しているが、今のところおかしなものは無い。少なくとも、集会場のNPCの思考や行動に、このバッドエンドへ向かうものは無いように見受けられた。

 しかしオープンワールドという仕様上、見つけられていないNPCがいるかもしれないし、キリの無い話かもしれない。

 取っ掛かりが欲しい。何か一つでも手掛かりがあれば、原因を絞り込む事も出来そうなものなのだが。

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