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ヒーローズ•オブ•アルメリアス  作者: とりぷるとろわ
第1章 アルメリアス
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第2話 師匠

前回地の文が多すぎるとの指摘を受けたので地の文を減らしてセリフを増やしました。まだ地の文が多いと感じたら教えてください。

 


 「完成するのに30年…」

 「ご、ごめんね。召喚に使った魔法陣は複雑でね…描くのに時間が掛かるの。それに成功するかどうかテストをしなくちゃいけないし、発動に必要な魔力を大量に貯めないといけないのよ。召喚の時は30年かかったから帰りの魔法陣も多分それくらい時間がかかると思うの」

 「そんなに待てないですよ…」

 「と、とりあえず師匠に連絡して協力してもらえるようお願いするわ」

 「分かりました…」


---


 次の日。


 あの後、テラスさんは師匠という人に連絡をしていた。

 テラスさんは何やら水晶玉に話しかけていたが、多分この世界の通信機みたいなものだろう。

 師匠という人からから連絡が来るまで俺はテラスさんにこの世界について教えてもらった。


 「この世界には人族、魔族、亜人族、神人族の四種族がいるの」

 「神人族?」

 「天空塔っていう建物があってね、そこに住んでる人を神人族っていうの」

 「へぇ…」

 「遠いけどここから見えるわ。外に出ましょう」


 外に出て景色を見る。

 最初に目に入ったのは海だった。

 テスラさんは海の近くに家を建てていた。

 

 とても綺麗な海だ。サファイアのような色をした海で、写真に残しておきたいくらいだ。

 後ろを見ると遠くに町があった。


 「見て、イズミくん。あそこにあるのが天空塔よ」

 

 俺は前を向き、空を見る。

 遠い空に大地が浮かんでいた。その大地に塔が一つ建っていた。

 

 「あれが…天空塔」 

 

 大地が浮かんでいて、そこに塔が建っている。元の世界ではアニメやゲームの中でしか見られないものだ。

 俺は異世界に来たのだと改めて実感した。


 

 天空塔を見ていると、あるものが見えた。

 天空塔に気を取られていて気づかなかったが、海に霧があった。

 とても大きいドーム状の形をしている。

 

 「テラスさん、あの霧はなんですか…?」

 「……あれは死霧よ。なんでもあの霧の中には黄金の島があるらしいの。その噂を聞いて何人もの冒険家や海賊が霧の中に入っていったけど誰も帰ってきたことはなくて死んだと言われているわ」


 生きて帰ってきた人はいない…か。怖いな。なんでそんなのがあるんだろう。


「イズミくん、師匠からの連絡はまだ時間が掛かるから、この世界の言語を教えてあげるわ。帰れる時までこの世界で過ごすことになるんだから」

「ありがとうございます」


---

 

 

 この世界に来てから1週間が経った。

 テラスさんの教え方が上手いのか。この世界の言語を覚えるのにあまり時間はかからなかった。

 

 リビングでテラスさんから借りた本を読んでいるとテスラさんが呼んできた


 「イズミくん、師匠から連絡が来たわ。私の部屋にきてちょうだい」

 「分かりました。すぐ行きます」

 

 俺は本を閉じて、テラスさんの部屋に行く。

 部屋に入ると、以前テラスさんが使っていた水晶玉があった。

 水晶玉には1人の女の子が映っていた。

 白のロングヘア、綺麗な肌、片眼鏡を付けていて、子供なのに余裕のある大人に見えそうだった。

 

 「テラスさん、この人が師匠?」

 「そうよ、この人が師匠」


 この子が師匠なのか。

 師匠というからてっきりテラスさんより年上の人だと思っていた。

 

 「連絡が遅くなってごめんなさいね、魔術学院の教師達からの勧誘がしつこくてね」

 「あらら、あの人達まだ諦めてなかったんですね」

 「それでテラス。異世界から召喚した人というのが隣にいる彼ね」

 

 俺は自己紹介をした。


 「初めまして、和泉仁と言います」

 「はじめましてイズミジン。私の名前はマナギスタ・エルメス・ヴァイスルナよ。気軽にマナって呼んで」

 

 テラスさんと同じで名前が長いな。


 「イズミジン、テスラから話は聞いたわ。貴方を元の世界に戻すことについてだけど私が協力すれば2年で終わるわ」

 「え、2年!?本当ですか!?」

 

 2年という数字を聞いて俺は驚いた。

 30年はかかると言われていたのに、いきなり2年で終わると言われると驚くほかない。


 「えぇ、魔力は私に任せれば問題ないわ。魔法陣はテラスに任せるわ。ただ私はやるべき事があるから、まだ手伝えないわ。用が終わるまではテラス、貴方一人でやってちょうだい」

 「分かりました、師匠」

 「それにしてもいきなり貴方から異世界召喚が成功したって聞いた時はびっくりしたわ。流石ねテラス」

 「…!ありがとうございます師匠!!!!!」


 テラスさんは突然大声で叫んだ。

 マナさんから褒められたのがそんなに嬉しかったのだろうか。あまりにも大きい叫び声だったので俺は思わず体がビクッとした。

 マナさんは小声で、うるっさ…、と呟いていた。


 「そ、それじゃあ、通信を切るわね。何かあったら連絡をちょうだい」

 「はい!師匠!」


---



 マナさんとの通信を終えた後、俺はテスラさんと夕食をとった。

 夕食を食べ終わり、食器を片付けながら俺は今日の事について振り返った。

 

 2年…。テラスさんは「30年はかかる」と言っていたのに、マナさんは「2年で終わる」と言った。凄い人だな…


 「凄いですねマナさんは…。2年で終わらせられるって」

 「えぇ、師匠は凄い人よ。魔術師なら誰もが師匠の名を知ってるわ」

 「そんな人の弟子なんて凄いですね。テラスさんは」

 「ありがとうイズミくん。さて、私は明日から帰りの魔法陣を作るわ。それまではイズミくんは自由に過ごしてて」


 「分かりました」


 2年か。

 それまでどう過ごすか。


 うーん。ま、そのうち考えるか。

 食器の片付けが終わったら風呂に入って寝よう。

 

 テスラさんの家には空き部屋が一つあり、そこを俺の部屋にしてもらった。


 風呂から上がった俺はふかふかのベッドに飛び込み目を閉じた。


 そういえば、召喚もマナさんが手伝えば2年で終わったのでは…。ていうかテラスさんとマナさんっていくつなんだ?テラスさんは召喚の魔法陣を作るのに30年かかったと言ってたし、テラスさんが魔法陣を作り始めた理由って歴史に名を残すのと師匠に褒めてもらうことだったよな…。


いや、歳がいくつか考えるのは辞めておこう。こういうのは知らない方がいいかもしれない


 


---



 朝になって起きる。

 リビングに向かうと朝食と紙が置いてあった。



 『もし外に出かけたいのなら教えてね。服と護衛の使い魔を用意するわ』


 「外かー」

 

 外に出る用は無いし、テラスさんが持ってる本を読むか。


 「何を読もうかな」

 

 俺は本棚に並んである本みる。1番上に少し分厚めの本が3冊あった。


 『12の光』

 『アルメリアスの歴史』

 『黄金騎士』


 真ん中は名前の通り歴史書だろう、ただ残りの二つはなんだろうか。俺は3冊とも手に取り、気になった2冊を先に読み始めた。



---



 3冊とも読み終えた。

 『12の光』はアルメリアスを創造した12人の神様について書かれた本

 『黄金騎士』は黄金に輝く剣と鎧を使う騎士の冒険譚

 『アルメリアスの歴史』は予想通りこの世界の歴史が書かれている本だった。


 ふと時計を見ると12時を過ぎていた。


 「もう昼か。読書してただけだしお腹は空いてないな」


 俺は自分の部屋に行き、ベッドに寝っ転がって仮眠を取る。


 明日は昨日外に出たときに見えた町に行ってみるか。起きたら、テラスさんに伝えよう。



明日は余裕があれば2回投稿します


*天族を神人族に修正しました。

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