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ヒーローズ•オブ•アルメリアス  作者: とりぷるとろわ
第3章 元五大魔将軍
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第17話 新たな仲間


 バルザックとの戦いの後、俺たちは近くの町に寄り、昼食をとることにした。

 なぜかバルザックもついてきたが。

 

 「いはぁ、おもぉうぇのぱぁんち、もっちぁすぼいな。

  まんなぱんちはじめてどぜ」


 パルザックは飯を食いながら喋っている。

 なんて言ってるか分からない。


 「何言ってるか分からないし、汚いからちゃんと飲み込んでから喋ってちょうだい」


 バルザックの隣に座っているマナが、キレ気味に言った。

 それを聞いたバルザックは口に含んでいるものをゴクリと飲み込んだ。


 「おっと、わりぃわりぃ」


 パルザックは笑いながら謝った。

 

 「ていうか、なんでついてきてるのよ」

 「良いじゃねぇか。ついてきたって。

  こんなに強いやつにあったのは久しぶりだからな。

  すぐに別れるのはもったいなくてよぉ」


 マナはため息をついた。

 めんどくさい奴に絡まれたような反応だ。

 実際絡まれているのだが。


 「ところでお前らの名前聞いてなかったな。

  なんていうんだ?」

 「マナギスタ・エルメス・ヴァイスルナよ」

 「私の名前はアルス」

 「和泉仁だ」


 俺たち3人の名前を聞くとパルザックは腕を組み、う〜んという顔をした。


 「マナギスタ……ヴァイスルナ…。

  あぁ! 魔術の天才のマナギスタか!

  まさかこんなチビだったとは!」

 「チビって言うな」

 「そこの騎士の兄ちゃんはSランク冒険者のアルスか。

  どこかで見覚えがあると思ったぜ。

  新聞でお前さんの記事読んだぜ。単独で獄炎竜を討伐するとかすげぇな! スキャルが『魔族だったらすぐに勧誘していた』って言ってたぜ!

  で、黒髪の坊主は…イズミジン…」

  

 俺のことは知らないだろう。いや、知ってたら怖いが。


 「うーん、お前はなんか…不思議な感じがするな。

  魔力の気配が一切見えないぜ」


 俺が異世界人ということは話すべきだろうか。

 けど、信じるだろうか。

 

 …話してみるか。






 「ほおー、異世界から来たのか」


 あれ?思ってたのと違う反応だ。

 びっくりするとか、そんな話信じない、とか反応すると思っていた。


 「信じるのか?」

 「まぁな。嘘をついてるような感じじゃねぇし。

  ところでよ。気になったんだが、魔術の天才、Sランク冒険者、異世界人とかいう濃いメンバーが何をしてるんだ?」

 「何をしているかって…」



 




 「なるほど、なるほど。

  そのテラスっていう奴がロストマグナっつう悪い奴に殺されたから仇をとるために旅をしているのか」

 「そうよ。私の大切な弟子だからね」


 パルザックは俺たちの事について詳しく聞くとまた腕を組み、う〜んという顔をした


 「んじゃあ、オレも仲間に入れてくれよ」

 「いや、数時間前のこと忘れたの?

  断ったでしょ」


 マナは不機嫌そうにそう答えた。


 「オレを仲間にして損はないぜ。

  なんせオレは元五大魔将軍だからな」

 「「…!?」」


 『五大魔将軍』。

 その言葉を聞くとマナとアルスさんは驚いた顔をした。


 「五大魔将軍って…あの五大魔将軍…?」

 「あぁ!」

 

 俺は五大魔将軍というのを知らない。

 名前からして強そうな役職だが、なんなのだろうか。


 「アルスさん、五大魔将軍ってなんですか…?」


 俺はひそひそ声でアルスさんに聞いた。


 「五大魔将軍っていうのは、魔王軍の最高戦力のことだよ」

 「魔王軍の最高戦力…。なぜそんな人がここに…?」

 「……えっと色々あって辞めちまったんだ。

  ……んで、まぁ、ちょっと旅をしようかなと」


 バルザックは何か言いにくそうな感じだ。

 何か深い理由があって五大魔将軍を辞めたのだろうか。

 知りたいが、辞めた理由を聞くのは失礼だ。やめておこう。


 「でだ。こんな強い奴を仲間にしないのは損だぜ?」


 ニヤリと笑うバルザック。

 それを聞いて深く考えるマナ。


 「…アルス、イズミ。

  ふたりはどう?」

 「私は仲間にしても良いと思うな」

 「俺もそう思うかな。

  こんなに強い人を仲間にしなかったら後で後悔しそうだし」

 

 マナはさらに深く考える。

 それを、頼む!みたいな顔をして見つめるバルザック。


 「分かったわ。OKよ」

 「ありがとな!!」


 こうして俺たちに新しい仲間が加わった。


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