「ロストマグナの考え」
薄暗い部屋。
薄暗い部屋にある物はテーブル、ソファ、ランプ、本の4つ
部屋の中心にあるテーブルの上にランプが置かれている。
ランプの灯りが部屋を照らすが、灯りは小さく、テーブルの周りまでにしか光が届いていない。
そして部屋中に、本が落ち葉のように床に散らかっている。
ランプの灯りが届いてないところだと、落ちていることにすら気づかない。
そして、部屋に2人の男がいる。
1人はソファに寝転がっている。
強靭な体をしており、誰もが見ても恐ろしいと言うような雰囲気を出している。
その男の名はロストマグナ。
「そろそろ起きたらどうですか?ロストマグナ」
ロストマグナを起こすように大きな声で話しかけた男の名はボルドス。
全身に紫色の鎧を着ており、ランプの灯りが彼の鎧を僅かに輝かせる。
「…ん?あぁ、悪いな」
ロストマグナは目覚め、体を起こす。
両腕を上げ、体をリラックスさせる。
「ケマガが死んだそうですね」
ボルドスは足元に落ちている本を拾いながらそう言った。
「まぁ、失敗作だからな」
興味がなさそうにロストマグナは答える。
「失敗作なら、なんで最初から処分しないのですか?」
「失敗作でも、使える可能性がある失敗作だからな。
念の為手元に置いておいた」
「なるほど。
あと、何故わざわざ標的ではない者を狙っているのですか?
私達が倒すべき者は2人。
その2人以外を狙う理由は?」
拾った本のページをペラペラとめくりながらボルドスは質問する。
「ヴァイスルナがいた」
「…! ヴァイスルナが…か」
ページをめくる手を止める。
ヴァイスルナという名前をボルドスは知っている。
その名前は昔、殺し合いをした人物の名前だ。
「正確に言うと、ヴァイスルナの子孫だ。
名前はマナギスタ」
「ヴァイスルナはもう死んでいるんでしたね…
何故ヴァイスルナは地上にいるんでしょうか?
奴らは◼️◼️◼️にいるはず」
「さぁな。そこまでは知らん。
だが、奴が何か企んでいるに違いない。
マナギスタとは少ししか戦ってないが、あいつは中々に強い。
恐らく俺たちとの戦いで奴が戦力、それか切り札としてマナギスタを使うと考えている」
ロストマグナは座りながら天井を向き、足を組んだ。
「それに奴がどれくらい力を取り戻したかを確かめなければならない。
大切な子の子孫が危険な目に遭っていれば絶対現れるはずだ。
テラスを殺した時は、奴の気配を感じた瞬間逃げてしまったから確かめることができなかったが…」
ロストマグナの考えを聞いたボルドスは、本を閉じてロストマグナの方をじっと見つめる。
「もし失敗作が全員倒され、奴が現れなかった時はどうするんです?」
ロストマグナは、そこもちゃんと考えている、と言うようにニヤリと笑った。
「その時は、俺自らが出向く。
今は失敗作達に頑張ってもらおう」




