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「魔王軍会議」


 ーマーダハ城 会議室ー

 

 部屋の中心に大きな円卓の机が置かれている部屋。

 そこに魔王軍最高の戦力である五大魔将軍が集まっていた。

 

 「さて、全員来たな。では始めよう」


 五大魔将軍の1人でリーダー役のスキャルが会議を始める。


 「会議の内容は…まぁ全員知っているだろうが…。魔王城に侵入者が現れ、秘宝を盗まれ、五大魔将軍の1人が殺され、そして侵入者を逃してしまった…」

 

 今回の会議は数日前に起こった事件についての会議だった。

 それは、魔王城で保管していた秘宝が謎の侵入者によって盗まれてしまったのだ。

 さらに侵入者を捕らえようとした五大魔将軍の1人が返り討ちにされ、取り逃してしまった。


 「一体どこのどいつだー! ガンダスを殺した奴は!!」


 ゴーダがイラつきながら机をどん、と叩いた。

 

 「落ち着いてくださいゴーダ」

 「そうなの。それに、また壊したら給料から引かれちゃうの」

 「あっわりぃ、ついカッとなっちまって…」


 ゴーダの向かいの席にいるアズライルと、隣の席にいるリリスがゴーダを落ち着かせた。


 「続けるぞ。侵入者についてだが、兵士によると侵入者は顔を隠していた為、どんな顔をしていたか分からなかったそうだ」

 「スキャル、この件について魔王様は何と?」

 「すぐにガンダスを殺した者を捕らえ、私の前に連れてこい…と」

 「「「……」」」


 全員が沈黙した。

 侵入者は顔が分からず、どこに行ったのかも分からない。

 見つけるのにどれだけの時間が掛かるだろうか。最悪の場合見つからないという可能性もある。


 「それにしても侵入者は秘宝を盗んで一体何を…?」

 

 アズライルがぽつりと言った。


 「恐らく戦争だ。盗まれた秘宝はとてつもない魔力の塊だ。大規模な魔術の発動に使うだろう」

 「それはないんじゃねぇかぁ?戦争を起こしても神人族の裁きが下るだけだろ。それを知らない国なんてねぇ。俺たちの国か、どっかの国を滅ぼしたい盗賊かなんかの馬鹿の集まりが秘宝を盗んだに違ぇねぇ」

 「ただの盗賊が五大魔将軍を殺せるとは思えないの」

 「それは…」

 「「「……」」」


 再び全員が沈黙した。

 分からない事が多すぎる。

 侵入者の目的、行方、正体。何一つ分からない。

 

 「今は兵士達全員が侵入者と秘宝の捜索をしている。なにか手がかりを見つかるといいのだが。後は…」

 

 スキャルは誰も座っていない席を見た。


 「次の五大魔将軍…かぁ」


 ゴーダが腕を組んで背もたれにつかった。


 「難しいですね。五大魔将軍は相当な実力者ではないと無理ですからね」

 「……バルザックに戻ってきてもらうのはどうなの?」


 リリスが1人の魔族の名前を言った。

 

 「俺は認めねぇぞ。くだらねぇ理由で五大魔将軍を辞めたアイツに魔王軍に戻る資格はねぇ」

 「ですが、バルザック以外に誰がいるんです?あの人はスキャルと並ぶ実力者ですよ」

 「実はバルザックにはこの件についてもう連絡してある。次の五大魔将軍が決まるまで彼に居てもらおうと思ったが、『五大魔将軍に戻る気はない。ガンダスを殺した奴を見つけたら連絡する』だそうだ」

 「…なら、しばらくの間この席は空席ですね…」


 アズライルがため息混じりに言った。


 「今回の会議はここまでにしよう。各自何かあったら報告してくれ」

 「「「了解」」」


 

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