まあ、生活もかかってるので文句言ってもしょうがないんですけどね:6
槍が私たちの立つ周囲に降ってくる。
「崩壊の影の本領発揮という訳か……一人で敵陣を壊滅させたというのも頷ける」
ファルナがゾディアに近づく。
「どうする?あんな調子で攻撃されたらそのうち落ちるよ?」
「そうだな……」
もう、鎧の一団が目の前に迫っている。
ファルナが剣を振り、鎧を両断する。
「退却……といきたい所だが、それじゃあ何のために来たのかわからなくなるな」
ゾディアが数秒目頭を押さえ考えた後。
「……よし、君達に任せよう」
しばらく後、私は目立たないようさっきグラドミスがいた場所に向かっていた。
周囲かをゾディアの投げた結晶が焼いている。建物や肉が焦げた酷いにおいがする。
ゾディアの作戦は非常にシンプルな物だった。
『レガリア、君この辺は詳しいな?』
『はい』
『出来る限り目立たないようにグラドミスに近づけ、ファルナが君とは逆に正面からグラドミスに向かう。君は奴をその銃で撃て』
『ゾディアー、アンタはどうするの』
『奴の注意を引く、ここから結晶をばら撒くが当たっても文句は言うなよ?」
(要は隠れて近づいて殺す。それだけの作戦)
一番恐れているのは奴の傀儡に見つかる事だ。大回りで広場を横切っているが運がいいのか既にファルナたちが片付けてしまったせいかまだ傀儡は見かけていない。
腕は蒼鉄のように重く、肩から千切れそうなくらい痛い。原石銃は撃ててあと一発だろう。
(……いた)
今度は剣戟の音思った通りファルナとグラドミスが戦っている。
視認できるが銃で狙える距離ではない。
「誰が来るかと思えば堅物の若造に中央の馬鹿娘とはな!」
「うれしいでしょう!私と戦えて!」
縦横無尽に動き回るファルナを挟んで切り合っている。周囲には鎧たちもいて狙いをつけるのも至難の技だ。
(どうする……)
「お困りのようですね」
背後から声をかけられ飛び上がりかけた。




