まあ、生活もかかってるので文句言ってもしょうがないんですけどね:4
最後の一体が中身を辺りにぶちまけ、周囲は若干の静寂に包まれる。
「見事だ、助かったよ」
肩を叩かれた。
「うぎぎ……」
軽く押された程度だが原石銃を撃った後の腕に響いた。
「ああ、痛かったか?すまないね。君、カティア隊長殿に漆黒鉄は片付いたと伝えて来てくれないか」
ゾディアが私の肩に手を置いたまま先輩に告げる。私はこのまま居ろという事か。
「君、名前は?」
「レガリアです」
「どうもレガリア、私はアルバート・ゾディア」
至近距離で見たゾディアの顔は思ったよりも皺が寄っている。
「アルスサインで騎士を務めている者だ。まあ、そろそろ引退を考えているのだがね」
それよりも第三者がいない状況でこんな目上の人と一対一にされるのは胃が痛い。
「君がグラドミスに狙われてる子か?」
「は……はい、そうです」
「腕が焦げてるぞ?」
ゾディアが私の手を指す。原石銃を撃った後の手は表面がぼろぼろになっている。だが、見ている間に腕に原石糸が表面を覆い、火傷が癒えていった。
「原石武器か」
「……ええっと……これは」
「後で詳しく話を聞かせてもらいたいね」
ゾディアの表情はにこやかだ。けれど、私を見る彼の眼は笑っていない。
「おーーい!ゾディアーー!」
街の奥、バリケードの先から声が聞こえた。
「何してるんだあのバカ娘……!」
先刻別れたファルナがやって来た。
……背後に鎧の大群を連れて。
「お待たせゾディア!倒しやすいようにしたよ」
「ファルナ……漆黒鉄まで見えているんだが、アレは流石に砕けないぞ」
「そっちはレガリアに任せりゃいいいじゃん」
「そうだろうが……君、その銃まだ撃てるかい?」
「……大丈夫です」
火傷は引いたが腕全体が重い。力を込めて連射するのは初めてだがここまで痛いとは思わなかった。
「よろしい、では取り掛かろう」
ゾディアが原石糸を飛ばす。
「ファルナ、あまり動き回るんじゃないぞ、君にも当たるからな」
ゾディアが操る糸の先には赤熱する赤い塊がくっ付いていた。




