明日も休みなので何時まで起きてても問題ないの:2
「物騒な二つ名だね、どんなヤツ?」
「名前はオズワルド、右腕が原石の義手になっている男です」
厄介なやつですよ、とロスは続ける。
「戦時中は向こうの『武器持ち』らしく単騎で幾つもの戦場を渡り歩いてたそうですが、出会った舞台は必ず皆殺しにされたせいで誰も対策ができずにいた、戦場の跡をさして彼らは悪魔に襲われた、なんて当時のイグドラは評している」
「人相は?」
レガリアが問う。
「目つきの鋭い白髪の男、写真はありませんよ」
彼女にとって気が気ではない、一人でイグドラ兵の部隊を殲滅できる男が自分の街にやって来るかもしれないのだ。
「メトラタの情勢も少しずつ変わってきています」
ロスが話を続ける。
「まず国内がイグドラとの融和路線を固めつつある。次の代表も穏健派が実権を握るのはほぼ間違い無いでしょう」
それを聞くレガリアは若干の安心感を覚えた。
「じゃあ、あの国からのちょっかいも減るってことですか?」
レガリアの言葉にロスは首を振った。
「いえ、そう期待は出来ないでしょうね」
「どうして?」
「今メトラタじゃあ、戦争を望む強硬派の居場所がないんだろ?」
オリンピアの疑問にロスは首肯する。
「今日日、イグドラとの戦いを望む彼らは大多数の国民にとって邪魔者になりつつある」
メトラタはイグドラから分裂した国である。
最初に反旗を翻し、メトラタを立てた人物の原動力はイグドラへの恨みだと言われている。
「もしも次の指導者が強硬派の『武器持ち』の手綱を握れればいいのでしょうが……」
ロスはしばらく項垂れた。
「……管理しきれない、というのが実情でしょう、メトラタの『武器持ち』達はこの国への恨みと……ある種の使命感を持って動いている」




