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生まれ変わったのですが転生先がどえらいブラックです  作者: 早熟最中
どうやって仕事へのモチベーションって保つんでしょうか
143/203

ピリピリしている上司二名の間ほど居合わせたくない場所はない:1

「おかえりグレイマン」

「……お疲れ様です」

「ああ、ただいま」

 メイドに車椅子を持ってもらいながら、グレイマンが屋敷に入った。

「ファルナ、身体は何とも無いのか?」

「ぜんぜん平気、寝過ぎて頭痛いくらいよ」

 その後ろから死体袋を担いだ隊長が続いてやって来る。袋の中身は嫌でも察しがついた。

「お疲れ様です隊長」

「お疲れレガリア、今日はご苦労だったな」

 屋敷の奥から使用人が数人やって来た。

「君たち、その死体は私の部屋へ」

 そのままレベリオの死体を隊長から受け取り、台車へ乗せて奥へと引っ込んでいった。

「あのレベリオってヤツ、本当に死んだんですか?」

 釈然としない疑問をそのまま口に出した。

「いいや、彼は死んでいない」

 返答するのはグレイマン。

「やっと話す気になりましたか?あの男について」

 若干の苛立ちを含んだ声音。この様子だと隊長はかなりグレイマンに聞き込んだようだ。


「ファルナ、私はしばらくイストサインを離れる」

「ふえ?いきなりじゃない」

 隊長をぶったぎり、グレイマンはファルナに話しかける。

「今日、レガリアが倒したあの男の件でな」

 レベリオの事だ。

「戦時中から女王が追っていた者だ。報告のためにマルスサインへ向かわねばならん」

 戦時中、その言葉に記憶が蘇った。

 グレイマンらしき男に炉の中へと放り込まれた人の姿。

「留守を任せたぞ。当面の危機は去ったと思うが……ロスの事もある。レベリオの身体の件は特に重要だと思ってくれ」

 あの情景にはどんな背景があったのだろう。


「レガリア、よくやってくれた」

「……はい?」

 唐突に名前を呼ばれ面食らう。

「追って褒章が出る。それでは」

 言い終わるなりグレイマンは車椅子の車輪を回し──

「お待ちいただきたい」

 そのまま隊長に止められる。

「今回の件、イストサインの市民にも多く被害が出ています。ちゃんと騎士からも──」

「騎兵については王都から戻り次第話す。今回の件には機密が関わっているのでね」

 グレイマンは止まらない、そのまま隊長の手を振り払い屋敷から出ていった。

「急ぎ過ぎでしょ」

 若干呆れ気味にファルナが呟いた。それに関しては同感だった。

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