時間が無限に欲しいと思うのはあるあるだけどね:1
「……自分はどうなのよレベリオ」
「ん、何が?」
「お前だって、イストサインで人を殺してる」
そんな人間が、どの口で命を語っているのだろうか。
「ああ、殺してるね」
レベリオはけろっとした様子で言った。
「仲間は沢山居た方がいい、君も一緒になってくれる事を望むよ」
「お前が殺した人の話よ!」
「同じ相手だよ、そのうち、君もわかってくれるさ、話し続けていれば、いつかは皆納得してくれる。私達の為に命を使ってくれる」
部屋の黒い壁を叩いた。
力を込めたが、音すら吸収していったようで部屋には全く響かない。
「どうせ夢の中だ、ゆっくり話し合おう」
レベリオが座り込む。
「それこそ一生、議論は平衡するかもだがそれも一興かもね」
彼の顔に、人が映し出された。
同じような暗い部屋に居る無数の人々。
皆同じような顔をして、こちらをぼんやり見ている。
「皆仲間さ、私たちは」
ああ、そうか。
目の前で喋るこの存在に、私の考えは通用しないのだ。
「誰がお前の仲間になんて──」
まるで話にならない。このままこいつの頭を撃ち抜いてこの部屋を出て行ってやる。
「何をしているのかな?」
原石銃を引き抜き、真っ黒なレベリオの頭を向けて引き金を引く。
「…………」
銃弾は放たれなかった。
「言ったろ?ここは夢の中、君の武器は持ち込めないに──」
レベリオが何か言い終わる前に、背後から何かが砕ける音がした。
「……っう……熱っ!」
そして私の腕に走る強い熱さ、痛み。原石銃を撃った時の感覚。
「……なんだ、なんだ、なんだ」
辺りから困惑する声が響き渡る。
(何……?感覚が……)
手足の感覚が消える。宙に浮いているような状態だ。
部屋に少しずつ光が差してきた。




