報告、ちゃんと細かい事まで伝えないと……どこまで言えばいいんだろ:1
一日分の仕事を終えたような疲労感を感じながら病棟へと戻る。
「おかえりー」
ジルのベットの隣でエドガーが手を振ってくれる。
「え?どうしてファルナいるの?」
「……フン、いろいろあったのよ」
「許してレガリアー。ごめんなさいって」
「理解はする、けど納得はしてない」
病棟を出てからそれほど時間は過ぎていないが、すでに今日いっぱい働いたような疲労感だ。
ジルと会話していた精神科医──レベリオがイストサインに潜む新たな敵であること。
「安心しなファルナ、今は面倒くさいけど一日で戻るから」
「余計な事言わないの!」
そしてできれば知りたくなかったが、ファルナが私を監視していたこと。
「戻りましょエドガー、あのレベリオって医者が原石武器持ってたわ」
「……どういうこと?」
目が点になっている、無理もない反応だ。
「エドガーさん、帰るの?」
ジルがエドガーに話しかけた。
「そうだなー結構話したからな、また明日来るよ」
「本当?嬉しい!」
笑顔のジルは完全に立ち直った様子だった。
「またねーレガリアさんとエドガーさん」
ジルに手を振り返し、病棟を後にする。
「仲良さそうね、どんな話してたの?」
「まだ普通の話だ、住み場所とか仕事とか、現場の話はまだ無理だな」
「そう、わかった」
また後で来てもいい、今は情報を整理しないと。
「戻りました隊長」
三人そろって屯所に戻ると、隊長と一緒にグレイマンが居た。
「レガリアか、早いな。ファルナ殿まで」
「グレイマン、新しい原石武器持ちが出たわ」
ファルナの言葉に、車椅子に乗るグレイマンは眉を顰める。
「確かか?」
「ええ、あんな武器見たことない」
「報告を」




