1.俺は社畜さ・・・
いつからだろうか。
馬鹿みたいに働いて金を稼いで、それで趣味の小説やゲームに使うようになったのは。
世間的にみれば俺はきっとオタクだろう。
もちろん、オタクなのが嫌だって訳じゃない。
なんだったら、オタクである事を悔いたことなんてこの人生で一度も無い。
ただやはり・・・社畜は辛いよ・・・。
毎週2日の休みで残り5日は毎日毎日満員電車に揺られて、夜は23時まで帰れない。
家に帰ってももう夜の24時過ぎだ。
なのに朝は8時出勤。
もう、疲れてしまったのだ。
よく、異世界転生ものの小説ならトラックに跳ねられたり、電車で引かれたりすれば白い空間にいって女神様とか神様にあってチートスキルもらって異世界生活を楽しむのだ。
「はぁ・・・俺も異世界いきてぇ・・・でも、死ぬ勇気なんてないしなぁ・・・。」
そんなアホなことを誰かが聞いたら「コイツ、ヤバいんじゃね?」なんて思う独り言を吐いた。
ま、そんな事いっても異世界になんていける訳がないし死ぬ訳でもない。
「きっと、このまま永遠に社畜なんだろうなぁ~・・・」
なんてったって俺は高校卒業してから永遠に社畜してるからな。
・・・ふふ、泣けてきたぜ・・・。
まぁ、いいさ。俺は自分の好きなゲーム、好きな小説を買ってこれからも社畜しながらオタクで居続けるんだ!
神様なんてこの世にいる訳ないだろうしな!
もし、仮に神なんてこの世に居たのならきっと俺の様な人をたくさん助けているだろうからな。
それでもやはり、思ってしまうのはなぜだろうな。
「・・・異世界、いきてぇなぁ・・・」
そんな空虚な願いは夜道に溶けて消えていった・・・。