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ちなみに妹の反応は

「ちょ、ちょっと待って待って…!?」


私こと、藤野夜月はものすごくびっくり、混乱していた。兄の歌声が流れるヘッドホンを、勢いよく外す。


「お兄ちゃん、こんなに歌上手かったっけ…!?」


いや、元からかなり上手かったのだけど(だから歌ってみた作ろうよ、と誘ったのだ)、二人でカラオケに行った時に聞いていた感じより全然良い。


ちなみに以前友達に、お兄ちゃんと二人でカラオケに結構行くんだよー、という話をしたら、すごくびっくりされたことがあったっけ。「なにそれめちゃくちゃ仲良いじゃん!」って言われたのだけど、あまりピンとこない。普通くらいじゃない??


気を取り直して、もう一度ヘッドホンを着け直し、始めから再生し直す。


やっぱり、すごく上手くなってる、と思う。最近色んな動画で勉強してたみたいだし、その成果なのかも。


元々音程はほとんど外さないのだけど、曲の歌詞に合わせた抑揚と声音になっていて、すごく自然に歌が耳に入ってくるような感じ。


と、元々お兄ちゃんの声を知っている私はまず初めに「上手っ!」と思ったわけだけど。


多分、初めてお兄ちゃんの声を聞いた人は、その声の良さにびっくりすると思う。微かにハスキーでグレイな声なんだけど、その中に甘さと爽やかさが嫌味なく同居していて、聞き慣れている私もドキッとすることがあるくらいだ。電話してて「迎えいこうか?」とか言われると、録音して売ったら稼げるんじゃないかと思うくらい。もったいないから、しないけどね。


そして、√を始めるとき、「老若男女関係なく聞いてほしいね」という話をしたのだけど、男の人から聞いても良い声なのかな?と気になってお父さんに聞いたところ、

「ん?ああ、環なぁ、良い声だよなぁ…きっと俺に似たんだろうなワハハ」

と言っていたので、一安心、って感じだった。


「いけない、しゅーちゅーしゅーちゅー」


ヘッドホンから流れてくるお兄ちゃんの声に集中しようとした、その瞬間だった。


「私、超イケボ歌い手に自由に曲リクエストできる権利を手に入れたのでは…!?」


まったく今まで気づいていなかったけど、これはすごいことです皆さん…!


二人で歌う曲は相談する制度になってるけど、「なるだけ何でもやってみよう」ってお兄ちゃん言ってたし、言えば聞けるかも…!!!


「あああ何歌ってもらおう〜〜〜、色々ありすぎる〜〜〜」


ハロープラネットみたいな曲も似合いそうだし、王道の夜明けと蛍なんかも聴きたいし…!


と、リクエストで頭いっぱいの夜月は、パソコンを閉じて兄の部屋に向かうのだった。





ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

作者より

昨日更新なかった分、今日2話出せて良かった…!

閑話的な話でしたが、主人公である環くんの歌声についてはじめて触れたかな?と言うお話でした。

ではまた、お付き合いください!


ちなみに、ブックマークと星を入れて頂くと作者は嬉しさで毎回死ぬ仕様です。

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