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閑話 罰ゲーム配信は

「何でこんなことになったんでしょうかねぇ……んんっ!」


そう、今日も今日とて環は配信をしているのだが。一つだけ、さりとて大きすぎる、いつもと違う点があった。


「女声とか人生で初めて出したんですけど……!」


『きちゃああああ』『かわいいw』『ありがとうございます』『アーカイブ残りますか?』『待ち望んでた!』


コメント欄も大盛り上がりである。久々に初々しいタイプのtama『ちゃん』の登場にリスナーは大歓喜し、コメントの流れもかなりのものだ。


藤野環、18歳。女声に挑戦する配信なのだった。




事の発端は少し前の配信のこと。環と夜月、2人での雑談配信で起こった事件である。


「ねぇtama君、そういえばなんだけどさ……冷凍庫に入れておいたアイス知らない?まさかtama君じゃないと思うんだけどさ」


「あっ(察し)」


「…………一応感想聞いておこうかな」


「とっても美味しかったです!」


「よーしリスナーのみんなー、罰ゲーム考えよー!!」


と、リスナーを巻き込んで夜月が考えた結果が環の女声配信であった。ちなみにファンサ曲オンリー歌枠と非常に僅差での選出であり、環の抵抗は例によって無視されている。


何か面白そうなことやってるなー、ということを察知した『ライムライト』のメンバー達との通話及び雑談配信ということで、いわゆる同接、同時接続視聴者は2.5万人近い。トップバッターを切って通話に来たのは、原稿と曲のための小説を仕上げて時間の有り余った小説家、東方奏多である。



「お疲れ様です〜!tamaちゃんとは確か、初めましてですね!」


「…………お疲れ様デス」


「……っふ」


「今笑い堪えただろ絶対!!忘れないぞ、いつか仕返ししてやる……!」


言葉は荒れても女声を手放さないあたり、割とプロ根性があるのかもしれない環だった。いつもは最年長ということで落ち着いた雰囲気の東方奏多(29)であったが、笑いを堪えきれなくなったところで選手交代となった。


その後に来たAyaこと綿貫綾も、大爆笑である。生放送を見ていたとは言え実際に会話すると笑ってしまうとのことで、奏多以下の会話量であった。


「そういえば、その声で歌ったりできないの?」


「声帯潰れるっすそれ」


「聞きたかった……」


くらいが綾が笑わずに済んだところで、如何に爆笑していたかが分かるところとなっている。しかもその爆笑に「人が爆笑してると釣られちゃって……」と朝はぜ先生こと朝霞和泉も使い物にならなくなってしまい、このままでは尺が余ってしまう……!という危惧を覚えた環だった、のだが。



「どーもでーす!」


「久しぶり、元気そうだね」


「すげー!本当に女声だー!」


と、入ってきた『くらうん』の3人が挨拶もそこそこに、とんでもないことを言い出したのだ。


「tamaちゃん、俺たちが今から1人ずつ口説くから、誰が1番ドキッとしたか判定して?」


「…………あぇ?」


思わずポカン、とする環であったが、意にも介さず進めていく『くらうん』の3人。「じゃあ俺最初」「じゃ2番目ね」「ラスト、了解」と、あっという間に外堀を埋められ、企画スタートである。


「お前、…………かわいいな」


「やめて!?ねえやめて!?ゾワッとしたんですけど!!」


「急に電話してごめん……声、聞きたくてさ」


「それはいいんですけど、どっちか言うとこの企画やめてほしいんですよ!帰ろうかなもう!!」


「今日は……帰したく、ない」


「無駄に間を空けないで!?あと大喜利な感じなんですか、既に!!」


と、スタートから一瞬で大喜利会場と化した配信だったが、リスナー達は大喜びである。


『ありだな……どっちもありだな……』『イケメンと男の娘助かる』『tamaちゃん受けなの解釈一致』『腹捩れるwww』


爆笑と共に帰っていった『くらうん』を見送った環は、やけ気味に叫ぶのであった。ちなみに、最後まで女声で。


「終わり終わり!今日の配信終ーわーりー!どうもありがとうございました!!」

作者より

皆さん……お待たせしました……。土日、やる気だけはあったのですが、書いては消し書いては消しで、全然更新できませんで……。


何とか明日も投稿したいと思います。頑張ります。


そうそう、読者の皆様のおかげで総合20000pt到達しました。ありがとうございます!!

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― 新着の感想 ―
[一言] 流石もろ平野さんです!両声類にまで手をだすとは…… 環すごいな僕もはやく両声類なりたい…頑張らねばっ!
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