15.入学式
一番背が低い私は最前列だ。この世でも背の順で並んで先生の話を聞くのは一緒らしい。
やはり鎧姿は目立つので、壇上の先生方や、後ろからの視線がチラチラ来る。目が合ったら笑顔で返してやると悪い反応は無いのでこれで行こう。貴族の挨拶とか習ったけど忘れたし。
ポンチョは畳んでリュックの中だ。ズタ袋型のリュックは壊れにくく、たくさん入るので戦争から帰ってからみ重宝している。ラルザ隊みんなに配ったやつなので、同居のみんな持っている。お揃いのかばんだ。
入学式の挨拶で壇上で3年生からの挨拶で食堂の時の金髪さんがスピーチしていた。目が合ったので笑顔を返したらギョッとした後にグッとしていた。まあ2年と3年なら部活とかしないと接点無いだろうし、私の胸に付けた銀勲章が見えたはずだ。
私の髪の色に合わせて作られたこの手の勲章は形や大きさで王への貢献度が違い、私のは一番小さいのよりちょっと大きい。1~10で言うと3くらいだが、私の体格に付けると4~5位に見えてちょっとお得である。
新入生代表で挨拶に出てきたのはエルフだった。トロトイ王国からの転校生、またの名を友好の証、またの名を人質ともとれる彼は「第4王子のホンド」さん、そのそばに控える護衛のエルフさんは見たことある人で、二人とも私を見ている。
良い感情は持ってない事がわかるので、萎縮しそうになったが、学園ではファーストコンタクトなのだ、ここでの対応が今後を決める。私はやはり笑顔を返しておく。「あなたとお話ししたいですよー。一緒にご飯とかもいいですねー」と本気で思っていますと伝わるように意識する。
王子は笑い返してくれて、護衛役っぽいエルフさんには睨み返された。知ってた。
王子は初対面だが、護衛の人は戦場でガンダムに乗っていた貴族で、私が捕虜として捕まえた人だった。彼からガンダムを取り上げてしまったのも私なので、たぶんめっちゃ私の事が嫌いだとおもう。
彼らは3年生から入るらしい。先輩だった。ちっすちっす。
長い式が終わり、教室にでも行くのかと思っていたのだが、今日はもう終わりで、明日から本格的に学校が始まるとの事だった。話聞いて無くてもシェリー副官がまとめて教えてくれてありがたい。
2,3分で伝わる事を1時間かけてだらだらやるのは何処の世界も一緒なんだろうか?
中学1年生になったアルバ―とも再開した。
中学1年生が赤い短髪のムキムキマッチョで眼帯しているこの世界はなんかすごい。アルバ―以外にも戦争経験者の方は何人かいて、そういう人たちは同じクラスの中で年齢的にも存在感的にも浮いている存在なので、そういう人たちで集まっている。1人でも話せる人がいるなら学校は楽しく過ごせるさ。前世で12年学生をやった先輩を信じなさい。
今回13年生になった俺はまだ新しい友達はできていないが、シェリーがいるから大丈夫だろう。ボッチにはならない、とおもう。シェリーに見限られない様に礼節を持って学園生活を送るとしよう。「親しき中にも礼儀あり」だ。
マナーは忘れたが、敬語を使って頭下げときゃそれっぽいだろう。と思って実施したらシェリーさんに逆に不信感を与えてしまった。朝の感じでお願いしますとの事だったので、そうしよう。シェリー以外にはちゃんとしようと思う。こう見えて貴族なわけだし。




