6、エマ・ライトウッド育成③
つおい(╹◡╹)
「クソクソクソクソ!!!ちょこまか逃げやがって!!!」
「………思ったよりチョロいね」
「舐めんじゃねぇェェェ!!!」
相手も中々の剣士、下段中段をコンパクトに攻め込んでくるが、当たらない、盾のように長刀の体の前に構え全て受け流す、相手の力の流れに逆らわず、ただ少し攻撃の方向を逸らす、これにより相手の剣は空を斬る。
………それはまるで俺とエマの模擬戦の再現だった………刺突、唐竹、袈裟斬り、逆袈裟、というふうに斬り込むが悉く空を斬る。
「やった!!!」
「ーーー何を?」
「ーーーなっ!!?」
終いにはエマが斬られ、ブサイが喜びの歓声を上げるも、後ろから彼女が疑問を問いかける、やられたと思ったエマはただの残像だったみたいだ、剣の方が彼女を避けるが如く、ブサイの剣は当たらない、相手が起こす風に乗り、風を切る燕の如く、軽やかに捌いていく。
「クソが!!!、『焔光の鷹』を追い出されたゴミが、ルーキー剣士ナンバーワンの俺をコケにしゃがって!!!!」
「満足した?そろそろ帰ってくれないかな?、貴方と戦っても練習にもならない、これなら歩法の鍛錬でもしてた方が有意義」
「クソアマがァァァ!!!」
遂には冷静さすら失って、先程より雑かつ隙だらけな斬撃を撒き散らすだけになるブサイ、当然そんな攻撃が当たることもなく、むしろ先ほどより余裕を持って回避していく。
「…………もう終わり?」
「テメェ!!!!」
「そこだ!!!」
『ーーー贋流、春一番』
彼の連撃を難なく避け、挑発に乗った相手が大振りの攻撃をしてくる、その隙をすかさず、俺が模擬戦で使った剣技、『春一番』、いわゆる巻き技という技で相手の剣を弾き飛ばす。
「ーーなッッ、巻き技!!?!、お、お前みたいなクソ雑魚がなんでそんな技できる!!?」
「………まだやる?」
剣を弾き飛ばした後、相手に足払いをかまし地に這いつくばらせ、首元に長刀の鋒を当ての首元に添えるエマ。
一瞬呆けていたブサイ、何をされたのか分からなかったのだろう、段々頭が追いついてきて、才あるものでも習得に苦労する剣技を受けたのだと気づき、喚き散らす。
彼女は何も返答せず、ただ淡々と問いかける。
「お、覚えてやがれ!!」
捨て台詞を吐いて消えていくブサイ、エマの完勝だ。
つおい(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾