おろかもの
きみたちにはわからないかもしれませんが は読者への煽り的なのではなく"子供に語ってる"からです。
「ママー、おはなしきかせて!」
「きかせてきかせて!」
二人の子供が、母親に話をねだる。
「良いわよ。
昔々あるところに……」
そうして物語が始まる。
「むかしむかしあるところに、6にんのとてもあたまのいい人たちがいました。
その人たちはある日、ヒューマニウムというものをつくりました。
6にんのうちひとりがこういいました。
『これはぼくやぼくの国のせいかではない。
じんるいのせいかだ。』
『これに、humanというなまえをつけよう。
ヒューマニウムだ。』
ほかの5にんは、
『それはすばらしい!』
といい、ヒューマニウムというなまえがきまりました。
それからしばらくたったある日のこと。
ヒューマニウムのあたらしいちからがみつかりました。
でんかをあげることでしつりょうの100%がエネルギーへんかんされることがわかりました。
ヒューマニウムはなんでもできるまほうの石だったのです。
いろんなくにのえらいひとが、ヒューマニウムをほしがりました。
あるくにのひとは、たくさんのおかねをつかってヒューマニウムのけんきゅうじょをたてました。
あるくにのひとは、ヒューマニウムをつくったくにからどろぼうしようと、たくさんぶきをつくりました。
あるくにのひとは、ヒューマニウムがかんせいするとせきゆがうれずにこまってしまうので、けんきゅうじょをこわそうとしました。
そしてとうとう、ヒューマニウムのつくりかたがわかりました。
しかし、ヒューマニウムをかんせいさせたくにはだれにもつくりかたをおしえませんでした。
あるくにのひとはこういいました。
『わがくにもなんとしてでもヒューマニウムをつくるのだ。』
あるくにのひとはこういいました。
『ヒューマニウムのつくりかたをうばってこよう。』
あるくにのひとはこういいました。
『ちょっと■■■滅ぼそうぜ』
しかし、だれもヒューマニウムはつくれませんでした。
『しかたない。こうなったらうばうほかあるまい。』
と、えらいひとはいいました。
しかし、ヒューマニウムをうばうこともできませんでした。
なぜなら、ヒューマニウムのまほうのちからは人を殺すことにもつかえたからです。
ヒューマニウムをつくった6にんのあたまのいい人はくちぐちにいいました。
『なんてものをつくってしまったんだ。』
『ああ神さま、おろかなぼくたちを呪ってください。』
『おそいんだ。……嗚呼、おそすぎたんだ。
とてもおおきなたたかいがはじまるぞ』
そうして、第三次世界大戦とよばれるとてもおおきなたたかいがはじまりました。
どのくにもいろいろなぶきをつかいました。
つかってはいけないぶきをつかったくにもいました。
きみたちにはわからないかもしれませんが、核兵器というとてつもないばくだんがなんぱつもつかわれました。
きぎはなぎたおされ、ひとが何百何千何万……とにかくかぞえきれないほどのひとがしにました。
そのほかにも、どくやびょうきがたくさんまかれて、おおくのひとがしにました。
やがてたたかいはおわりました。
たたかうひとがみんなしんで、だれもいなくなったからです。
しかし、ほんの少しだけいきのこったひとがいました。
それが、わたしたちのご先祖さまです。
ご先祖さまは、にどとこんなことがないようにこのお話をまとめました。」
「もう終わり?」
「え~……なんかつまんなかった!」
「そんなこと言わないの!
今日はもう遅いし、さっさと寝なさい。」
「「は~い。」」
次の日になり、子供が母に尋ねる。
「今日はご飯食べれる?」
「ごめんね。今日もそんなに食べれないかな……」
「そうだ!あのナントカニウムってやつ見つければ魔法の力でご飯食べられないかな?」
「そうだよ。どこかの国が使ったんでしょ?
だったら残ってるよ!
さがそさがそ!」