第二話
「よーし、走ってみるか!」
え?速っ!新幹線より速いんじゃない?
風が気持ち〜!まあ、普通この時速で走ったら体が足の速さに追いつかなくて壊れるだろうけどね!
「て、もう着いちゃったの!え!ここ王都だよね?」
「そうです。ご主人様。ここで、私が姿を出していると目立ってしまうので今は戻りますね。」
……消えた。……まあ異世界だしな!なんでもありか!
「よう、坊主。身分証は持ってるか?」
身分証なんて持ってるわけない。
「持ってないです。とっても田舎で生まれたもので。」
「そうか。それじゃあ銅貨20枚必要だが。」
「すみません。お金というものが存在してないほど田舎者なので。」
「そうか。それじゃあ、身分証俺が作ってやるよ。」
「ありがとうございます。」
「ちょっと名前教えてくれ」
「はい。名前はシューヤでいいです。」
「変わった名前だなあ。まあ、田舎生まれならそんなもんかもな。」
「……えへへ。すみません。」
悪気はないと思うけど結構傷付いたぞ。
「ちょっとこれ覗いてみな。」
門番の人はそう言って謎の玉を取り出した。
「え、はい。こうですか?」
そう言ってシューヤは恐る恐る玉の中を覗いた。
「よーし坊主。もう大丈夫だぞ。ほれ。これが身分証だ。」
「ありがとうございます!」
後で知った事だが、門番の人が持っていた玉は犯罪経歴などがないか分かるものだと言う。
「おー。ここが王都か!」
王都はさっきの草原と違い賑わっていた。行き交う人もなかなか多い。
「おっ!もふもふ!」
獣人族の女の子を見つけた。
(やっぱ異世界なんだ)改めてシューヤはそう思った。
「おっと。そうだった。冒険者登録しに行かないと。でも、どこで?ちょっと聞いてみるか」
「すみません。冒険者登録したいんですけど、場所が分からなくて。」
「おっ。冒険者登録か!そりゃ夢があっていいなあ。場所はな、ここの道をまっすぐに行った後、2つ目の角で曲がったつきあたりだ。でも、冒険者はあぶねえからな。頑張れよ!」
「ありがとうございます。」
そしてさっき言われた通りに道を進む。
「ついた!えーと、お邪魔します?」
思ってたより、静かだ。まあ、まだお昼だからかな?
どこに行けばいいのかわからないので受付らしきところに行って見る事にした。
「すみません!冒険者登録したいんですけど。」
「はい。冒険者登録ですね。分かりました。まず、こちらの紙に自分の魔法属性、スキル、職業を書いてください。」
「すみません。魔法属性わからないんですけど。」
「そうですか。それならこちらの方で鑑定さしていただきますね。」
「よろしくお願いします。」
「こちらの方に手を置いてください。」
そう言って、受付嬢はまたも謎の玉を差し出してきた。
「はい。こんな感じですかね?」
「はい?え、え?故障?え、でも最近買ったものだから故障はしてないと思うんですが…。ちょっとすみませんね。ギルドマスター!こっちに来てください!」
「ん?どうしたんだ?」
奥の部屋から大柄の男が出てきた。見るからに強そう……
「この子の鑑定結果見て下さい。」
この子?あー。そうだった。俺子供になってたんだ。さっきラファエルが言ってたんだった。
「………………………………」
鑑定結果を見た途端、ギルドマスターの目の色が変わった。
「こいつはすげー。将来大物になりそうだ。こんな奴がこの世界にいたとは……。坊主、お前今までどこで鍛えてきた?こいつの魔力は常人じゃねえ。強い奴はわかると思うが、化け物だ……。下手したら魔王よりつええ。なんなんだ、この坊主。」
「それより、鑑定結果教えてもらえますか?」
「ああ、そうだったな。まあ、お前は全属性使える。」
「それって、なんかすごいんですか?」
「……………お前……まあいい。坊主はまだ子供だもんな。説明してやるよ。
まず、一属性は必ずみんな使える。基本的には、水、木、火、回復、光、闇だ。でもな、光か闇どちらかを使える奴は1000人に一人しか使えねえ。そして、二属性持ってるやつは500人に一人だ。三属性は100000人に一人、四属性は10000000人に一人、五属性は100000000人に一人、六属性は10億人に一人。このほかにも、空間魔法、重力魔法、創造魔法、究極魔法とある。正直これを使える奴はまじで化けもんだ。これを全属性使えるのは伝説の賢者か魔法神しかいねえ。お前、何者だ?まあいい。とにかく今のお前のレベルだとSSSだが、いきなりはSSSにできねえ。だからAランクからスタートだ。」
このギルドはSSS〜Fランクまであり、SSSが最高だそうだ。
「あ、はい。分かりました。ありがとうございます。」
「なんの依頼を受ける?」
「あー、それじゃあお手頃ので。」
「じゃあ、レッドドラゴンの討伐でもどうだ?」
「それでお願いします。」
「ほれ。じゃあ頑張れよ!」