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地球攻略編⑩~終焉の始まり~

ご興味を持っていただきありがとうございます。

お楽しみいただければ幸いです。


本作のタイトルを改名した【ネトゲ廃人の異世界転生記】が発売中です。

アマゾン等で全国の書店にてお買い求めできるので、よろしくお願いします。

購入報告お待ちしております!

 白銀に輝く卵にひびが入り、中からどす黒い瘴気のような黒い煙が噴き出す。

 振り上げた拳をその隙間に向かってねじ込むように全力の一撃を繰り出した。


「波動鳳凰拳!!!!」


 卵を内側から破壊し尽くす鳳凰をねじ込み、生まれる前の魔王を討伐する。

 からっけつになった俺の体はそのまま卵にぶら下がってしまい、金の指輪へ込めた魔法が発動するまで動くことができない。


 薄れゆく意識の中、卵の内側で鳳凰が暴れまわっている振動を感じる。

 その時、ようやく金の指輪が白い光を放ち、俺の体へ生の祝福を与えてくれた。


(ようやく《リザレクション》が発動してくれた)


 体力が0になった者を復活させる最上級スキルであるリザレクションが発動し、俺の体は自由を取り戻す。

 これなら1人で波動鳳凰拳を何度も打てるため、魔力が回復してから再びリザレクションを金の指輪へセットしておく。


(そろそろか)


 魔王の卵は鳳凰によって破壊されており、所々黒い瘴気が飛散しているのがわかる。

 もうしばらくしたら、卵が原形をとどめられなくなるので、少し離れた上空で見守ることにした。


 卵から溢れる瘴気が消え、鳳凰の赤い光が所々にあるヒビから漏れてくる。

 まばゆい赤い閃光が卵の殻を吹き飛ばし、中にいた魔王を消滅させた。


 鳳凰が目標を失って飛散した後、この場に残された俺は卵があったクレーターの中心を見つめる。


「これで……終わったのか……」


 呆気ない幕切れとなり、あれだけレべ天やPTメンバーに託しておいてどういう感じで帰ろうか考え始めてしまった。

 地面へ降り立ち、オーラを解除しようとした時、大量にいる殺戮の天使がこちらへ来ようとしないのが目に入る。


(おかしい……卵がなくなれば、天使がいなくなるはずなんだけど……なんだ!?)


 天使の動向を調べるためにクレーターの中心から離れようとしたら、地面が大きく揺れ始めた。

 慌てて上空へ逃げ、なにが起こっているのか探っていたら、炸裂音と共に巨大なクレーターごと地面が弾け飛ぶ。


「ディーさん!! 水の幕を!!」


 弾丸のように飛んでくる大量の巨大な岩石から身を守るために、水の力を借りて体を保護した。

 土煙と瘴気が立ちこめ、眼下に何がいるのか分からない。


 ただ、魔王の卵を破壊してもなお、瘴気が漂っていることに警戒を強める。


(なんでだ!? 卵は破壊した! 何がこれを発生させている!?)


 土煙が落ち着くと、地面から這い出るように瘴気の塊のような巨大な体がゆっくりと出てきていた。


 人間のような巨体で、体の表面は瘴気を身にまとっているため黒に染まっている。

 すべてを破壊するといわれる4本の腕は異常に発達しており、一振りで大地を揺るがす。


 今も自分の体を地面から出すために、腕を振るっており、弾け飛んだ大地の破片に当たって天使が死んでいる。


「魔王アルゴール……なんで地下から……もしかして!?」


 俺が監視していた卵とは別に、地下へ卵が埋まっていたと考えなければこいつが生まれることはない。

 ただ、気配察知を使用しても探知できなかったので、隠されていたとしか思えなかった。


(魔王の卵が複数あったのか!? でも、今はそんなことを考えている暇はない!!)


 魔王が生まれてしまった事実を受け入れ、俺はオーラを駆け巡らせて拳に力を込める。

 ここで俺がアルゴールを倒さなければ、人類はこいつ1体によって窮地へ追いやられることになってしまう。


「五月雨バーニングフィスト!!」


 大人数が参加するレイドバトルでしか倒したことがない相手を、今回は俺一人で相手にする。

 それも、こちらの世界で強化されていると思われる魔王を倒せるかどうかわからない。


 しかし、俺が倒さないと誰も倒すことができないので、命を懸けて拳を振るう。


 炎の拳は魔王に当たるが、俺の攻撃を受けても体を覆う黒い瘴気がはがれない。

 さらに追い打ちをかけるために、魂を燃やして魔力を捻出する。


「ゴアアアアアアアアアアアアアアアア!!」

「くっ!?」


 魔王が瘴気を解放して、死をもたらす絶望を伴う咆哮を行い、地球を震わせる。

 周囲を囲んでいた天使が絶命して倒れ、俺の金の指輪がなければ同じようになっていただろう。


(今だ!!)


 天使が黒い煙によって消滅する中、瘴気を失った魔王へ文字通り全力の一撃をお見舞いする。

 この一撃に自分の全てを賭け、後のことなど考えない最強の拳を練り上げる。


「波動鳳凰拳!!!!」


 魔王相手に余力云々を考える暇などなく、巡ってきたチャンスに全力を傾けた。

 俺の放った鳳凰は卵を破壊するときよりも雄々しく飛んでおり、巨大な魔王へ襲い掛かる。


 生まれたばかりで力が不安定な魔王は、鳳凰を振り払うことができず、体をむしばまれていた。


(これなら魔王を倒せる……やってやったぞ……)


 俺の体には1滴の体力も残っておらず、金の指輪へリザレクションも込めていない。

 鳳凰が魔王を倒してくれる瞬間までなんとか意識を保とうとしたが、持ちそうになかった。


「ぐっ!?」


 鳳凰を振り払うために行なった魔王の攻撃により地面と一緒に吹き飛ばされ、突っ伏したまま動けなくなる。

 俺の意識が途切れかけた時、暖かい金色の光が全身を覆い始めた。

ご覧いただきありがとうございました。

更新は1月28日を予定しています。


もしよければ、感想、ブクマ、評価、待ってますので、よろしくお願いいたします。


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令和2年9月17日より新連載を始めました。

同じローファンタジーになります。

ぜひ、こちらもよろしくお願いします。

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