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世界大会編⑫〜世界大会団体戦U-16の部開幕〜

ご興味を持っていただきありがとうございます。

お楽しみいただければ幸いです。


本作のタイトルを改名した【ネトゲ廃人の異世界転生記】が発売中です。

アマゾン等で全国の書店にてお買い求めできるので、よろしくお願いします。

購入報告お待ちしております!

 佐々木さんがぎりぎり間に合って、なんとか無事に開会式が終わった。

 これから1時間後にU-16の団体戦が行われるので、控室で花蓮さんや夏美ちゃんと準備をしている。


「キュー?」

「どうした? 一緒に行くから俺につかまっておくんだぞ?」

「キュー!!」


 日本から連れてきた豆狸が足にすりよってきているので、抱きかかえて頭を撫でる。

 控室にはのんびり休めそうなソファーがあったため、寝ころんで俺の胸に豆狸を乗せた。


 大会に向けて準備することは特にないため、豆狸を愛でて時間を潰していたら、控室のドアが開けられる。


「失礼する! 一也くん、話があるんだが時間は……大丈夫そうだな……」


 控室のソファーに寝転んで豆狸と遊んでいる俺を見た佐々木さんは、眉間に寄せていたしわが伸び、毒気を抜かれたかのように肩を落とす。

 いきなり入ってきた佐々木さんに驚いて、豆狸は俺の胸から飛び降り、夏美ちゃんの方へ向かってしまった。


「たぬちゃん、どうしたの? 怖かった?」


 椅子に座って弓を磨いていた夏美ちゃんが作業を止めて豆狸を抱える。

 対面に座っている花蓮さんが撫でようとすると、嫌がるように夏美ちゃんへ顔を埋めてしまう。


「なんでよ……」


 唇をとがらせて豆狸を眺める花蓮さんを見ていたら、俺の横へ佐々木さんが近づいてくる。


「この対戦はきみを陥れるものだ。一也くんだけでも棄権してくれないか?」


 佐々木さんは俺に大会に出ないように忠告をしてくれているが、開会式の前にここで何が起こっているのか大統領が教えてくれていた。


「大統領から聞いています。俺がモンスターになるみたいですね」


 ソファーに座り、気にすることはないと笑いながら答えたら、何も知らない花蓮さんと夏美ちゃんが佐々木さんへつめ寄る。


「どういうこと!?」

「なんでそうなるんですか!?」

「い、いや……俺にそう言われても……」


 2人の勢いに負けた佐々木さんは言葉を濁しているものの、このように忠告してきたということは全部知っていると思うので、代わりに答えることにした。


「俺の能力が人間の枠を超えているから、WAOはこの大会の結果次第で【佐藤一也は人型モンスター】っていう風に公表するみたい」


 俺の知っていることをすべて話したら、佐々木さんは頭を抱えて顔を左右に振り始めた。

 なんで言うんだと呟く佐々木さんへ、PTメンバーの2人がさらに詰め寄る。


「なにそれ!? 意味わかんないんだけど!!??」

「まったくです!! 佐々木さん、抗議しないんですか!!??」

「あくまでも、この大会の結果次第でということだ……それでどうするんだ? 棄権……するのか?」


 絶望的な目で俺のことを見てくる佐々木さんは、決まっている答えを待っているような気がしてならない。


「出ますよ。俺をモンスター扱いするというのなら、それは一向に構いません」


 その期待通りのことを答えると、花蓮さんたちの方がえっという声を上げる。


「一也くん、その……モンスター扱いされてもいいの?」


 夏美ちゃんが困ったように俺へ質問をしてくるものの、それはそれで面白そうなので認定されたいような気もしてくる。


「こんな世界の情勢で人類の内輪揉めとかよくやれるよね。この大会を開いたのもびっくりしたけど」


 モンスターに侵食されている大陸があるというのに、WAOはそんなことをお構いなしでこの大会を開催している。

 それこそ、まったく問題ないと言わんばかりに世界中へ宣伝が行われ、盛大に開会式を挙行している。


「ねえ、一也……本当に出るの? 私たちだけでもなんとかなるわよ?」

「自信ついていますね。だけど、今回は普通に勝つだけじゃ駄目なんですよ」


 兵器よりも自らを鍛えることに専念するという意識に変えるためには、武器で勝つよりもより強力な印象を与えなくてはいけない。

 そのプランについて考えているので、守護神たちに見栄を切った以上、ここで止める選択肢は俺になかった。


「今回は予選なしで一回限りのバトルロイヤル。世界中の企業がお前たちの対策兵器を配布しているだろう……それでも……行くのか?」

「それは朗報ですね。ますますやる気が出ました」


 それでこそ、各企業が薦めている兵器や武器を持ったPTを可能な限り倒したかいがある。

 どんなものが開発されたのか楽しみになりわくわくしてきたので、気合を入れるようにソファーから立ち上がった。


「そろそろ時間です。行きましょうか」

「……一也、本当にいいのね?」


 花蓮さんがドアの前に立って諦めるように笑顔で聞いてきていた。

 足元に来てくれた豆狸を抱きかかえて、肩に乗せながら笑顔で答える。


「もちろん。徹底的に叩き潰してやりましょう」

「……わかったわ。夏美もそれでいいわよね?」

「うん!」


 背後で佐々木さんが深くため息をしているのを無視して、3人で会場へ向かい始めた。

 会場は開会式を行なったものすごく広い競技場で、ここに世界中のPTが一堂に集結する。


(さあ……お祭りの始まりだ!!)


 俺は急きょ変更された一回限りの団体戦を行うために競技場へ足を踏み入れる。

 周りには完全武装した集団が揃っており、銃以外の武器を持っているのは俺たちだけだった。

ご覧いただきありがとうございました。

更新は12月17日を予定しています。


もしよければ、感想、ブクマ、評価、待ってますので、よろしくお願いいたします。


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9月17日より新連載を始めました。

同じローファンタジーになります。

ぜひ、こちらもよろしくお願いします。

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― 新着の感想 ―
[一言] ぶっちゃけ人型モンスターと認定されたところで モンスターが沸いた国にWAOから支援要請きても 人型モンスターの助けなんていらないよね?www ってなるだけだよね。
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