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最終章導入編①~世界の認識~

ご興味を持っていただきありがとうございます。

最終章が始まりました。


本作のタイトルを改名した【ネトゲ廃人の異世界転生記】が発売中です。

アマゾン等で全国の書店にてお買い求めできるので、よろしくお願いします。

購入報告お待ちしております!

 憤怒のエンシェントドラゴンに勝利してから数日経ったが、全力を出した反動で体が悲鳴をあげたのと、最近動きっぱなしだったため、今日は自分の部屋でゆっくりと過ごしている。

 のんびりとテレビを見ていたら、スマホが震え始めた。


(今日はオフだから俺はいませんよ)


 休む時は1人でのんびりしたいので、相手が誰であろうと出るつもりはない。

 そう決意して、テレビに集中するためにスマホをなるべく自分から離す。


(何度かけてきているんだ? そんな緊急な用件あったかな……)


 2回くらいで諦めると思っていたのに、10分以上電話をかけ続けられている。

 だるいと思いながら画面を見ると、今まで1度もかかってきたことがない人からの電話だった。


(アメリカの大統領だ……ご飯の誘いじゃないよな……)


 スマホをタップして通話に出たら、ほっとするようなため息が聞こえてきた。


「一也くん、ようやく出てくれたか」

「なにか用ですか? 俺、暇じゃないんですが」


 録り溜めておいたテレビ番組を見るのに忙しいので、相手の言いたいことだけを聞いて電話を切りたい。

 そんな風に考えていると、大統領は声のトーンを落として話をしてきた。


「前に話をしていたモンスターが溢れてくるという件だが、冒険者協会が頑なに発表しようとしないんだ」


 大統領は直接会った時にお願いしていたことを実行してくれていたようだった。

 どこまで知っているのかと思い、一番最近起きた出来事の話をしてみることにした。


「アフリカ大陸で街が壊されたことも一切ニュースになりませんよね。全部止められているんですか?」

「ああ……私のところにも情報が来ないようにされていた。調べなかったら出てこなかっただろう」

「なるほど。それは……意図的に隠そうとしていますね」


 これだけモンスターによる被害が出ていて、なにも報道されないのはおかしいと思っていた。

 WAOがひた隠しにする意図を探りたくなり、テレビを切って明のところにでも行こうと考え始める。


「それに、街を壊されて他国へ逃げた人を保護すると言いながら隔離していることもわかった」

「近年だけでも相当な人の数なんですよね」

「そうだ……だが、実は調べているだけでWAOの会長から直接連絡がきて、止めるように警告されたんだ」

「……大統領はどうするつもりですか?」


 電話越しに大統領がため息をつき、椅子へ持たれて軋むような音が聞こえてきた。


「止めるつもりはない。WAOの暴挙をこのまま見逃せば、我が国の国民に被害が及ぶだろう」

「ありがとうございます……俺も動こうと思うので、力をお借りしたい時に電話しますね」

「ああ、待っている。またな」


 電話を切ってからベッドへ寝ころび、天井を見上げた。

 リモコンを押してテレビから流れる雑音を消し、自分のやるべきことを行うために休日を返上する。


「行くか……4割ってところかな」


 自分の体調を確認しながら家を出て、隣の明の家のインターホンを鳴らそうとした。


「一也様、お待ちしておりました」


 隠れていたのか、入口の門の死角から明が現れて、当たり前のように俺を迎え入れようとしている。

 いつもの和装姿で玄関へ向かう明の後を追い、どこまで占ったのか気になった。


「明、いつから待っていたんだ?」

「数分前ですよ。アメリカの大統領との電話が終わったくらいからです」

「電話相手までわかるんだな」

「一也様が絡んでいることなので内容まではわかりませんが……持っているスマホへ電話をかけてくる人物は誰? というふうに占いましたから」


 できて当たり前という風に言い切っており、玄関を開けてから俺の目を見てきた。

 明が陰陽師の風格をそなえており、いつも見るこの玄関が神秘的に感じてくる。


「いらっしゃいませ、もう準備はできております。ご確認よろしくお願いします」

「本当に? まだ何も言ってないけど……」

「今後世界中で起こることを予知いたしました。十中八九、一也様の行動によるものだと思われます」

「なら、見るよ。お邪魔します」


 明に案内されて居間へ通されると、大きなテーブルの上に数枚の紙が広げられていた。

 その中の1枚を手に取り、一番上に書いてある文章へ目を通す。


【ヨーロッパ大陸に残っているモンスター研究所一覧】


 他の紙にも大陸や国ごとに分かれて、まだ稼働しているモンスター研究所の場所が書かれていた。

 畳の上にある座布団にすわりながらそれらを手に取り、後ろから入ってくる明へ声をかける。


「やっぱりすごいな。これが欲しかったんだよ」

「喜んでいただけて幸いです。世界を……いえ、地球をよろしくお願いします」


 明は正座を行い、手を揃えて頭を下げてから俺へ頼んでくる。

 守護者となった明が惜しげなく俺へ誠意を見せていた。


「任せろ。地球は俺が救う」


 新たな目標と自分のしなければならないことを胸に、俺は再び戦うために黒騎士装備を身にまとった。

ご覧いただきありがとうございました。

更新は11月8日を予定です。


もしよければ、感想、ブクマ、評価、待ってますので、よろしくお願いいたします。


特に広告の下にある評価ボタンを押していただけると、大変励みになります。


9月17日より新連載を始めました。

同じローファンタジーになります。

ぜひ、こちらもよろしくお願いします。

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