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最上級職挑戦編⑨~大統領からの相談~

ご興味を持っていただきありがとうございます。

本作のタイトルを改名した【ネトゲ廃人の異世界転生記】が発売中です。

アマゾン等で全国の書店にてお買い求めできるので、よろしくお願いします。

購入報告お待ちしております!


次回の更新は10月6日です。

「佐藤くん、初めまして私は――」

「アメリカ大統領ですよね? 知っています」


 大統領を守るように複数のボディーガードのような人が立っており、俺が軽く握手をしながら話すと眉をひそめた。

 後ろにいる防衛省の2人からは俺の対応を見てなのか、息を呑むようにえっという声が聞こえる。


 当の大統領は握手をしながら俺の目を見つめてきており、手を離しながら口を開いた。


「怖いもの知らずだな」


 そう言い、大統領は笑みを浮かべながら俺を椅子へ座るようにうながす。

 向かい合わせになるように座ると、足を組んで話を始めた。


「今回、私とだけ会う約束をしてくれたことに感謝を」

「それは俺じゃなくて、防衛大臣と後ろの2人へしてあげてください。決めたのは俺じゃありません」

「ふむ……理由を聞いてもいいかい?」


 話をしている相手がアメリカの大統領だろうが対応は変わらないので、思っていることをそのまま口にする。

 それに、後ろのしかめっ面をしている人を無視すれば、大統領は話しやすい雰囲気を作ってくれていた。


「政治に興味がないからです。俺は世界を救うためにモンスターを倒しているだけです」

「モンスターを倒して世界を救う? どういうことだ?」

「失礼、日本の首相にも言っていないことなので、聞かなかったことにしてください」


 俺が本音をこぼすと、今まで気軽に話をしていた大統領の目が鋭くなり、ここぞと言わんばかりに身を乗り出してくる。


「……それはできんな、我が国にも害が及ぶかもしれないことだろう?」

「世界中で起こっているモンスター関連の事件数を調べてみてください。今の俺からはそれ以上言えません」


 大統領はそれ以上聞いてくることはなく、何かを考えるように何度かうなずいていた。

 俺は余計なことを言ってしまったが、大統領の頭の片隅でもいいからモンスターがあふれる世界の可能性について考えてもらいたいと思ってしまった。


「データが揃い、それについて話をしたくなったら連絡をしてもいいかい?」

「いいですよ。政府経由は面倒だと思うので、私の連絡先を教えます」

「ありがとう、私の連絡先も渡しておこう」


 情報交換ということでアメリカ大統領の連絡先が俺のスマホへ入り、前向きにモンスター事件について調査してくれるような印象を受ける。

 ただ、大統領は抱えている問題が多そうなので、優先順位は低いと思った。


 連絡先の交換が終わると、大統領は大げさに左手に付けた腕時計を見ていた。


「おっと、時間のようだ。これからWAOの晩餐会があるんだが……きみは出席しないな」

「ええ、もちろんしません」

「これからどうするんだ? 観光かい?」


 一緒に部屋を出ながら、車を貸そうかと笑いかけてくる大統領の心遣いを遠慮して、スマホで飛行機の出発予定を調べる。

 行きたい場所へ向かう飛行機があったので、ここから人に見つからずに出る方法を教えてもらいたい。


「Rank5をいただいたので、行きたかったフィールドへ向かいます」

「それはどこだい?」

「入場制限が行われているナミビアにある【ナミブ砂漠】へ」

「ほとんど雨が降らない死の砂漠へ? 銃が効く相手も……そうか、きみは銃器を使わないんだったな」

「ええ、確認したいことがあるので……それより、ここから外の人から見つからずに外へ出ることはできますか?」


 大統領は俺の質問を聞き、どこかへ連絡するためにスマホを取り出した。

 そして、ボディーガードの1人へ指示を出して、俺たち3人の前に立たせる。


「地下にある車を使えばいい、連絡をしておくからどれでも自由に持っていきなさい」

「ありがとうございます」

「気にするな。また会おう」


 格好良く右手を上げて別れのあいさつをする大統領に頭を下げてお礼を伝えた。

 黒服のボディーガードの人は最低限の言葉しか話さずに地下へ案内してくれて、置いてある車を眺めながらどれを使いますかと聞いてくる。


「どれが運転しやすいですか?」


 俺の後ろに付いてきていた防衛省の人へ聞くが、こんな場所を知らなかったのか、周りを見ながら唖然としていた。

 そして、俺が見ていることに気が付くと、質問を聞いていなかったようなので、額に冷や汗をかき始めてしまう。


 そんなに困らせるつもりではないので、もう一度聞こうとしたら、ボディーガードの人がちょっと待っていろと言って、1台の車に乗り込んだ。

 俺たちの前へ乗っている車を移動させて、左側にある運転席から出てくると、自慢げに紹介してきた。


「ここにある中で一番の高級品だ。運転はしやすいし、乗り心地も保証する」

「感謝します」


 お礼を言いながら車へ入ろうとしたら、慌てて防衛省の人がドアを開けてくれた。


 ボディーガードの人から紹介された通り、今まで座ったことがないような椅子で内装もきれいで高級な感じが伝わってくる。

 運転席と助手席に座った防衛省の人は、こんな高級車に乗ったことがないと呟きながら車を発進させた。


 その車で一番近くの空港へ送ってもらうように頼み、ナミブ砂漠に近いヨハネスブルグ行きの飛行機があったのでスマホで予約する。

 車を降りる時に日本から俺をエスコートしてくれた2人にお礼を言い、ワープ地点を登録して空港へ入った。


 今回は搭乗手続き等を自分で行い、無事に航空券が発券されたため、ロビーでヨハネスブルグについてからの道のりを調べ始めた。

 すると、ロビーに置いてあるテレビでWAOの会議の様子が流れ始める。


 テレビの画面には、妙にリラックスをして冒険者証を受け取り、その後に頼まれた討伐なんてしないと言い切る俺の姿が映されていた。

 今もテレビの中の俺と同じ服装で座っていたため、目立たないように飛行機に乗るまで見つからないように隠密を使用する。


 この空港からヨハネスブルグまでは1日近くかかるので、楽に寝られるようにファーストクラスを予約した。

 搭乗時間になったので、飛行機に乗り込むと長距離移動を覚悟して眠りにつく。


(ヨハネスブルグにあるタンボ国際空港まで20時間以上……そこで乗り換えてナミビアへ……何時間かかるんだ?)


 飛行機が離陸中、夏休みに入ってから飛行機での移動が多いと感じてしまう。

 ただ、スマホで明から送られてきたメッセージを確認すると、これから先は何が起こるかわからないので、移動時間は体を休めるために使う以外考えられなかった。


【件名:緊急連絡です】

 3日後に南アフリカを始めとして、ナミビア、ボツワナ、ジンバブエといった国々がナミブ砂漠からあふれ出たモンスターによって壊滅します。

 1週間後にはエジプトに防衛線が張られますが、意味がなく、南のアフリカ大陸までモンスターに侵食されます。

 以上が予言の内容です。

 他の誰にも伝えておりません、一也様の判断にお任せします。

ご覧いただきありがとうございました。

もしよければ、感想、ブクマ、評価、待ってますので、よろしくお願いいたします。


特に広告の下にある評価ボタンを押していただけると、大変励みになります。


9月17日より新連載を始めました。

同じローファンタジーになります。

ぜひ、こちらもよろしくお願いします。

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