夏休み約束編⑮~コング集団戦~
ご興味を持っていただきありがとうございます。
9月12日に書籍第一巻が発売になります。
タイトルを改名して【ネトゲ廃人の異世界転生記】となっております。
アマゾン等で予約が始まっているので、よろしくお願いします。
俺が走ってつめよろうとしたら数体のヤングコングが銃を乱射してきて、機関銃のようなものまで持ち出していた。
(誰があんなものを捨てたんだよ……)
雷よりも速く動き、弾を避けつつヤングコングの殲滅を始める。
魔力をメイスに込めると同時に武器が黄色に発光して、雷を帯びた。
手元からバチバチと音が鳴り、ヤングコングの集団に向かって全力でメイスを振るった。
「ワイドバッシュ!」
弾けるようにメイスから雷が放たれ、ヤングコングに襲いかかる。
このメイスはスキルの威力も増幅させてくれるのか、今まで見たことがない攻撃になっていた。
一振りで数十体いたヤングコングの群れを倒し、こちらを見ていたワイルドコングはヤングコングを呼ぶように咆哮している。
咆哮が終わると同時に、先ほどとは桁違いの数が現れて、壁のように整列する。
それに、ヤングコングは【軍隊】のように、前方で剣などの武器を持った者を配置し、後方は少し山の上から銃を所持させるように並んでいた。
ワイルドコングは後方にいるヤングコングのさらに奥へ逃げていき、姿が見えなくなってしまう。
(ここまで統率されているモンスター……面白い!!)
今までにない精練された大量の敵を目の前にして、俺のテンションは上がり続ける。
《宣言》を行い、ヤングコングの軍を単独突破するために駆けた。
「ゴリラ!! すべて蹴散らしてやる!!」
岩山全体へ宣言が届くと、近接武器を持ったヤングコングが一斉に俺へ突撃をしてくる。
どの程度の練度なのかスキル鑑定を行い、攻撃を避けながら相手の戦力を分析した。
【バッシュLv10 身体能力向上Lv10】
「嘘だろ!?」
普通の人では太刀打ちできない敵の存在を確認して、思わず叫んでしまった。
最初に相手をしたヤングコングよりも強力なスキルを使い、身体能力向上までかかっている。
俺が攻撃を避けてから着地してから次の行動に移ろうとしたら、その瞬間を狙ったかのごとく俺へ銃弾が撃ち込まれていた。
メイスでブレイクパリィを行い、大量の銃弾を無力化する。
「燃えるじゃないか!!」
ここには様子を見にくるだけのつもりだったが、心が業火に埋め尽くされた。
出し惜しみをすることなく、今できるすべてを使って戦闘を行うことにする。
ブレイクアタックで周囲の敵を吹き飛ばしてから、メイスを山へ向けた。
「マルチプルファイヤーアロー!!」
銃を持っている後方の敵へ数千本の炎の矢が襲い、整列していたヤングコングが慌てふためいている。
その隙に混合色のオーラを使い、近接武器を持つヤングコングを片付けた。
数百体はいたヤングコングの半数を倒したとき、またもワイルドコングの咆哮が聞こえてきた。
それから、俺の周りにいるヤングコングは目を真っ赤にして、腕が吹き飛ぼうが足がなくなろうが構わずに俺へ立ち向かってくるようになる。
(なんだこいつら……下半身が吹き飛んでも俺へ攻撃をしようとしているのか……)
なかには味方ごと俺を攻撃するために武器を振るうヤングコングもいたので、厄介なこの集団の処理を急ぐ。
必死に抵抗してきたヤングコングを殲滅したとき、周りには1体のヤングコングも残っていない。
(まさか今のやつらは、他を逃がすための殿だったのか!?)
足元には右半身がないのに体を引きずって俺へ向かってくるヤングコングがいたので、メイスで止めを刺す。
もう暗くなりかけており、暗視が使えるので戦うことはできるが、軍のように統率された集団がこの先になにか罠を用意している可能性があるため、1度下山することにした。
俺が山を下っていたら、ゲートの上部にある黄色いランプが光りゆっくりと開き始めていた。
それと同時に大量の冒険者のような人がつるはしを持ち、全力でこちらへ向かってきた。
その人たちが近くまでくると、走りながらたくさんの人に笑顔で声をかけられる。
「ありがとう!」
「英雄よ! 感謝する!」
「君は最高だ!」
すれ違うたびに俺を称賛するように様々な言葉をあびせられた。
後ろから岩盤をつるはしで叩く音が鳴るのを気にせず、ゲートを通る。
2つ目のゲートを通って壁の外へ出ようとしたら、受付の女性が申し訳なさそうに立っていた。
「佐藤さん。すみませんが、その武器を渡してもらってもいいですか?」
「どういうことですか?」
いきなり武器をよこせと言われたので少し頭にきてしまう。
しかし、女性は何度も頭を下げるので話だけは聞こうと武器を地面へつけた。
「今回の討伐がその武器によるものではないかという意見があり……それをギルドの物にしたいとのことで……その……」
「信じてもらえないかもしれませんが、これは俺以外には使えないと思いますよ」
「え!?」
「まあ、ここに立てておくので、使えるのならご自由にどうぞ」
俺はメイスを振り上げて、先端を地面に対して垂直に突き刺す。
メイスはアスファルトを砕き、鋭利な部分が完全に地面へ埋まり、まっすぐに立っている。
女性がまたも衝撃で腰を抜かすので、笑顔を向けて立ち去ることにした。
「じゃあ、俺はこれで失礼します」
俺が離れると大量の唸り声のようなものが聞こえてくる。
見なくてもなにが起こっているのかわかり、呆れて笑ってしまった。
(誰も持てないだろうな……それに神器だから俺しか使えなくなっているし、説明するのも面倒だから放置しよう)
神器は1度所有者が決まると、その人が承認しないかぎり所有権が他の人へ移ることはない。
また、ゲームと同じなら手元になくても自由に召喚できるので、突き刺したままで何も問題がなかった。
空いているホテルを見つけたので、チェックインを行い、泊まるように装う。
ゲートを出てから監視のような人たちにつけられていたため、部屋の鍵をかけてワープで日本に戻る。
スマホを見たら、もう日本は深夜になっているため、静かに過ごすべく布団へ寝ころぶ。
何件か電話やメッセージの連絡があり、ほとんどが花蓮さんからで数分前にもきていたため、返信が面倒なので電話をかけた。
1コール終わらないうちに花蓮さんが電話に出て、なぜか心配そうな声で俺へ話しかけてくる。
「もしもし一也? 無事なの?」
「なんともないですけど、どうかしたんですか?」
「ネットに一也と武装したヤングコングが戦っている動画が流れているの……相手が多いから心配して……」
花蓮さんは本当に心配してくれているのか、言葉をつまらせながら俺へ声をかけてくれていた。
ジブラルタルの岩山で戦っている動画があるのなら話が早いので、花蓮さんへ明るく声をかける。
「花蓮さん、遊びに行く海は【そこ】なのでよく見ておいてくださいね」
「はあ!? 海水浴は!?」
「ないです。登山をしましょう、その山から見下ろす海が絶景なんですよ」
「ちょっと!?」
電話を切り、自分のスキルを確認してから寝ることにした。
(起きたら花蓮さんとあの山を攻略だ!)
◆
スキル一覧
体力回復力向上Lv55
(Lv5) ┣[+剣熟練度Lv5]攻撃速度向上Lv55
(Lv10)┗キュアーLv50
剣熟練度Lv50
(Lv3) ┣挑発Lv50━[上級]宣言Lv50
(Lv5) ┣バッシュLv50
(Lv10)┗ブレイクアタックLv50
両手剣熟練度Lv50[上級+剣熟練度Lv10]
(Lv10)┗一刀両断Lv50
メイス熟練度Lv60
(Lv3) ┣[+ヒールLv3]身体能力向上Lv60
(Lv10)┗魔力回復力向上Lv60
ヒールLv52
(Lv5) ┣移動速度向上Lv52
(Lv10)┗[上級+キュアーLv10]ホーリーヒールLv52
杖熟練度Lv50
(Lv3) ┣ファイヤーアローLv50
┃(Lv10)┗━[上級]ウォーターミサイルLv1 NEW
(Lv5) ┣ライトニングボルトLv50
┃(Lv10)┗━[上級]ライトニングストームLv50
(Lv10)┗テレポートLv40━[上級]ワープホールLv50
短剣熟練度Lv50
(Lv3) ┣鑑定Lv50
(Lv5) ┣スキル鑑定Lv50
(Lv7) ┣急所突きLv50
(Lv10)┗[上級]隠密Lv50
盾熟練度Lv54
(Lv5) ┣[上級]パリィLv54
(Lv10)┣シールドバッシュLv50
(Lv10)┗[上級]シールドブーメランLv50
拳熟練度Lv50[上級]
(Lv3) ┣アースネイルLv50
(Lv5) ┣[+ファイヤーアロー等]魔力放出Lv50
┃(Lv10)┗属性付与Lv50
(Lv5) ┣旋風脚Lv50
(Lv10)┗錬気Lv50
弓熟練度Lv50
(Lv3) ┣気配察知Lv50
(Lv5) ┣鷹の目Lv50
┃(Lv10)┗[上級]暗視Lv50
(Lv10)┗[上級]マルチプルショットLv50
槍熟練度Lv50[上級]
(Lv3) ┣騎乗Lv50
(Lv5) ┣ソニックアタックLv50
(Lv10)┗五月雨突きLv50
鞭熟練度Lv30[上級]
(Lv3) ┣ワイドアタックLv30
(Lv5) ┣ソニックウェーブLv30
(Lv10)┗多重攻撃Lv30
銃熟練度Lv1
[シークレットスキル]
守護神の加護
海王の祝福
水神の寵愛
空神の解放
◆
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