表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

18/274

剣士中学生編⑥〜ウォーウルフ襲来〜

ご興味を持っていただきありがとうございます。

よろしくお願いいたします。


 山道を登っている時、父親が歩きながら後ろにいる俺へ話しかけてきた。


「いいか、一也よく聞きなさい。モンスターと戦うときにはしっかりと防具を着けて、銃で戦うのが基本なんだ。お前の持っている剣ではろくに戦えないし、防具をつけないなんてことはしない」

「銃だけだと誰かに当たらない?」

「当たらないように訓練するんだ。お前は剣が好きだが、中学校を出たらほとんど使わなくなるぞ」


 話しながら母親を見ると、父親の言うことが合っているようで何も言わない。

 母親はいつのまにか手に収まるくらいの銃を持っており、周囲を警戒している。


 2人の歩みが遅く、ようやく頂上に着く。

 森の出口には、高原が見渡すかぎり続いていた。


(広い!)


 ゲームでは何度か高原と呼ばれるフィールドで戦ったことはあったが、現実ではこんなにも美しい緑が広がっている。

 感動していると、父親が急に叫びながら前へ銃を向けた。


「前!」


 父親の声で正面を見たら、なにかがこちらへ向かってきている。

 そこには体を上下させながら4本の足で走り、銀色の毛が特徴のモンスターいた。


(ウォーウルフか)


 動物型モンスターのウォーウルフ、オオカミのような体格で鋭い牙をもっている。

 父親を見ると顔から汗が吹き出し、持っている銃が震えていた。


(俺が戦ったら父親に撃たれそうだな……)

 

 俺は父親の持っている銃の銃身を手でそっと上へ向ける。


「撃たないでね」


 父親へそう伝えてから、背中の剣を抜いてウォーウルフに向かって走り出す。


 後ろから両親の止める声が聞こえてきた。

 そんな声を聞いても、俺に止まる気は無い。

 俺が初めて現実で対峙するアクティブモンスターがやってきている。


(俺はこれから命のやり取りをするんだ!)


 一角ウサギの時にはその感覚は鈍かった。


 今回は、相手が殺意を向けて走ってくるのを全力で迎え撃つ。

 俺は身体能力向上と移動速度向上をかけてさらに速く走る。


 近づくと目の前でウォーウルフが口を開けて俺へ飛びかかってきた。


 全力で踏み込み、その口めがけて思い切り横へ剣を振る。

 足が地面に食い込むと同時に、剣を支える両手から肉や内臓を切る感覚が伝わってきた。


 剣を振り切るとウォーウルフが地面に倒れて、動かなくなる。


(よし!)


 俺はウォーウルフを倒したことで油断して、足に絡まっているツタに気付くのが一瞬遅れた。

 遠くから両親がこちらへ駆け寄ってきている。


「こないで!!」


 両親を制止してから、足元のツタを剣で叩き切る。

 その瞬間、すぐ近くの地面から這い出てくる音がした。

 完全に土から出る前にバッシュを叩き込む。


 だが、相手は一撃では止まってくれない。

 すると、地面から土を飛ばしながら触手のようなものをしならせて俺へ振るってきた。


 後ろに跳んで躱すと、俺の身長ほどある相手の姿が完全に地面から出てしまう。


(これはマンドラゴラだ!)


 普段は地面で眠っていて、頭部の草のようなものを踏むと根っこの本体でこちらを攻撃してくる植物型モンスター。


 足に絡まっていたツタは俺を転ばせる気だったのだろう。

 最初の一撃が効いているのか、少しふらついている。


 好機を逃さず、剣を振り上げてもう1度バッシュを叩き込む。


 マンドラゴラは断末魔のような声をあげながら倒れる。


 それを聞いて、俺はとっさに周囲を見渡した。

 すると周りの地面がいくつか盛り上がってきている。


(やっぱりか……)


 マンドラゴラの断末魔の悲鳴は近くの仲間を呼ぶものなのだ。

 俺の近くからマンドラゴラが7体、這い出てこようとしている。


 そう判断すると、俺は地面から出てこようとしているマンドラゴラへバッシュを打ちこみ始める。


 騒ぎに気付いたのか、ウォーウルフが走ってきた方向からさらにウォーウルフが来ているのが見えた。

ご覧いただきありがとうございました。

もしよければ、感想、レビュー、ブクマ、評価、待ってますので、よろしくお願いいたします。


特に広告の下にある評価ボタンを押していただけると、大変励みになります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ