1977年7月後半Ⅱ
7月24日(日)
鶴公のオールナイトニッポンを聴くつもりだった。いつもなら勉強を未明の3時まで続けるのだが、1時半に終えて、ラジオを聞きながら押し入れから出した「愛と誠」の単行本を読みだす。ふと気付くと3時、オールナイトニッポンも詰まらない。このまま寝るか。
「愛と誠」と少女漫画、比べるべくもない。出来が違う。少女漫画も読めば面白いが、目が大きいのと足が長過ぎるのは気に入らない。
7月25日(月)
起きたときから何となく嫌な気分だった。いつものようにまず本屋に行ったが、これと言って見るべき漫画本はない。帰ろうとバイクを走らせたが、燃料を入れる必要を感じて、養父町の近くのこの辺で一番安い鳥巣筑紫野バイパス沿道のスタンドで給油する。何となく久留米方面へバイクを走らせたあと、右に折れて四阿屋に向かう。もう夏休み、何組かの四阿屋に水浴びに行く子供たちの横を走り通り過ぎた。序にこのまま九千部まで登ってみたかったのだが、道が分からない。
7月26日(火)
漫画本の発売日、当然本屋へ行く。近頃の漫画は何だか味気ない。焼きそばを食おうと思ったが、腹の方が減ってくれない。仕方ないので、国松商店で1リットルのコカ・コーラを買って家に帰った。
テレビで家出人捜査のアフタヌーンショーをやっていた。一番最後の家出人が見つかる可能性は限りなく少ないだろう。何故なら、暴力団が関係しているらしいから。
7月27日(水)
昨日、突然思い立って「愛と誠」の単行本を買いに行った。大いに感動した序に、今日の昼、5冊くらい買うつもりで本屋に行ったが、結局1冊しか買わなかった。その後、残りを買おうかどうか迷っている。
昨日単行本を買いに行ったのが夜だったので眠気覚ましに河内ダムまで登ってきた。途中、鳥巣市街の夜景を見渡せる絶景ポイントを見つけた。
7月28日(木)
今の俺は空虚だ。史学にすべてを賭けると粋がってはいるが、とどのつまり、これ以外に自分の存在意義を見出せないからだ。
昨日、「愛と誠」を8冊揃えた。はっきり言って、足を失った今の俺の理想像は大賀誠だ。惨めな現状を打破してこんな生き方がしてみたい。まだ足があった猪町時代だったらこんな妄想などしなかっただろうし毎日が充実していた。鮒の手掴みもできたし鮒掬いもできたし山歩きもできた。何でも話せる友もいた。あのままなら良かった。あのままなら。
7月29日(金)
本屋で空手バカ一代の単行本を立ち読みするつもりで11時に起きた。少年マガジンと少年サンデーの発売日でもあったが、この頃面白い作品がない。読んでもつまらない。
熱中して13時をちょっと回ってしまった。帰ろうとバイクに近付いたとき、はっとするような美少女が!前を通り過ぎたその子を追い掛けて二度見したい衝動に駆られたが、抑えた。
真夏に扇風機を止めたら途端に汗の玉が噴き出す。でもさほど苦しくはない。17時半頃夕立が来て少しは涼しくなった。19時頃、勉強を一旦中断してまた本屋に行くつもりだ。
7月30日(土)
昨日偶然、「愛と誠」の16巻が駅前の福山書店にあった。早速買って帰って読んだ。猛烈に感動して涙が出た。少年マガジンに連載中だったときは一週間毎なので単行本で一気見するのと比べて感動が薄い。単行本の中に、「愛と誠」のイラスト集が紹介してあって、予約しようかどうか迷っている。
19時頃、「愛と誠」の7巻を探しに行ったが、福山書店の本店・支店、油屋書店にも無かった。仕方ないので6巻を買って溜飲を下げた。家を出る前、哲美にキャッチボールをする約束をさせられていたのでゆっくり立ち読みする暇がなかった。
7月31日(日)
今日でいよいよ英語も最後、と言っても暗唱確認は続けるが。気合いを入れて勉強しようと思ったが、つい「バイオニックジェニー」を見てしまった。
31日はまつり鳥巣で本通町は歩行者天国だ。19時頃、いつものようにバイクで出掛けた。どうせ「愛と誠」の7巻は無いと思っていたので、「空手バカ一代」を買うつもりだったが、止めた。
油屋書店から福山書店本店までバイクを押して歩いていたら、前を枝川KYが歩いていた。
今、8月1日の夜中、寝て起きたら、俺の得意科目の世界史をやるのだが、兎に角懸命に突っ走るのみ。
解説;アメリカのテレビドラマ「地上最強の美女バイオニック・ジェミー」は、1976年から1978年にかけて放送された。リンゼイ・ワグナー演じる元プロテニスプレイヤーのジェミー・ソマーズは、スカイダイビング中の事故により重傷を負ってしまうが、科学情報局(OSI)のバイオニック移植手術によって右耳、右腕、両足をサイボーク化され一命を取り留める。そして超人的な機能を発揮し、OSIのために諜報活動を開始するというドラマ。
まつり鳥巣は中心商店街一帯が歩行者天国になり、パレード、バザールなどのイベントが繰り広げられる。7月最終日曜日に開催。
枝川KYは鳥巣高の同窓生、三年のときは理系の34ホームルーム。確か一年のとき、同級だったような気がする。美人ではあったが、かわいい感じではない。防衛大学校に進学した蒲ヶ原と付き合っているのは公然の秘密だ。




