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第112話

「な、オーガの集団!?」

「親分……ドワーフ達、やばいんじゃ……」


 ドワーフ達を襲っていたのは、同じオーガ種、その群れであった。


「オーガと言えば、たった一体でも軍隊が必要になるほど……」


 その鋼の皮膚には、普通の武器じゃ傷一つ付けれない。

 とてつもない腕力で、人の頭など素手で砕いてしまうほど。

 そんなオーガが数十とひしめいている。


「なんでオーガがこんなところまで……」

「おい、すぐにレンカイアに知らせろ、もうここは……放棄するしかない」


 絶望的な表情でオーガ達を見やる鉱夫達。

 ドワーフもオーガ種なんだろ? じゃあ、ドワーフ達と協力すればまだ可能性があるんじゃないか?


「協力と言っても、俺達に出来る事はねえぜ。あの鋼の皮膚には傷一つ付けられやしねえ」

「かえって犠牲が増えるだけだぞ」


 とはいえ、見捨てる訳にはいかないし、オレにはまだ切り札が残されている。

 ただまあ、切り札出すには親分さん達が邪魔だな。


「オレはここでオーガを食い止めます! 親分さん達は、オレが連れて来たエロい奴等にこの事を知らせてください」

「いや、坊主だけでなにが……」

「忘れたんですか? オレにはドラゴン召喚という切り札があるんですよ」


 そうか、ドラゴンか……あれならば……と呟く鉱夫達。

 分かった、死ぬんじゃねえぞ。って言いながら走っていく。

 さてと、カシュアはと……


 オレはその戦場へ向けて駆けて行く。

 ついでに背中からオーガに切りつけてみる。しかし、浅い! ほんと硬いなこいつら。


「キミ! やっと来てくれたんだね! もうヘトヘトだよ!」


 カシュアが一人で奮戦している。

 さすがは聖剣、硬いオーガでもバッサリやっている。

 オレもロゥリにドラスレ借りて来るんだったな。


「良く頑張ったなカシュア!」

「数が多過ぎだよ! ボク一人じゃとても守りきれない!」


 となると、出し惜しみしている訳にはいかないな。

 オレが竜王と骸骨のカードを取りだした時だった。

 一際巨大な固体が大きな声で吼える。


「誇りを失ったはぐれ者達よ! オーガ、いや、鬼族の面汚し共が!」


 そしてそう叫ぶ。


「そんなひ弱な人間どもの手を借りるなど、貴様らなどもうオーガの種族ではない! 猿だ! お前達はもう野猿だ!」


 カシュアという予想外の戦力に、攻めあぐねていたオーガのボスが逆上している模様。


「はっ、その人間にやられて梃子摺っているのはどっちだよ!」


 ギョロリとした目でこっちを睨み付けてくる。

 あいつがボスか……


「どけっ! そこの人間はこの俺様が始末してやる!」


 そう言うと、こっちへ向かって歩いてくる。

 徐々に周りの戦闘音が小さくなっていく。

 どうやら一騎打ちをご所望のようだ。


 それなら最初から出てくればいいのに。態々カシュアが疲れるのを待っていたってところか。

 意外と肝っ玉は小さいなオーガ。


「貴様! 今、俺様の事をバカにしただろう!」


 そう言うと、手に持った巨大な鉈のような物を地面に叩き付ける。

 そこを中心として地面が陥没する。

 おお~、怖い、怖い。


「カシュア、お前の剣を貸してもらえないか?」

「えっ、危険だよ!」


 大丈夫、大丈夫。まあ見てなって。

 オレはカシュアから剣を借りてそいつの目の前に立つ。


「その度胸だけは褒めてやろう……」


 大鉈を振りかぶって襲いかかって来るオーガ。

 その巨体は、オレの身長の倍近くはあり、全身黒くテカッている。

 そんな巨体から振り下ろされる鉈は、正直当たれば粉々に砕かれそうだ。

 だがしかし、


「あんたもたいがいトロくせえな! ほらほら、当たらねえぜ!?」


 当たらなければどうという事も無い。


「オノレッ!」


 ラピスやロゥリの動きに比べればハエが止まって見えるかのよう。

 ただの脳筋にやられるオレじゃねえぜ。

 しかも全身隙だらけ。守るってことを考えちゃいない。


 どうせ食らってもダメージにならないと踏んでいるのだろう。

 だがあえてそんな隙に攻撃はしない。

 そのままオレに飛び掛りながら鉈を振り下ろす。


 こいつらは硬い。その皮膚は鉄をも凌ぐと言う。

 オーガの上位種になれば、魔法でしかダメージが与えられないと聞く。

 たぶんこいつもその類だろう。

 物理攻撃なら、どんな攻撃も受け付けない。そう思っているからこそ、そんな大振りな攻撃もしてくる。


「その慢心が命取りってな!」


 地面に刺さったその鉈を足場として奴の頭に向けて剣を振り下ろす。

 鉈を手放し、両腕を交差させてそれを受け止めようとするオーガ。

 硬い、硬いこいつの腕ならば、その攻撃を受け止めることも容易いだろう。


 だが!


 残念だったな! コイツはちょっとそこいらの剣じゃねえんだよ!

 キラキラエフェクトは消えている。

 だからといって、切れ味まで落ちている訳じゃねえんだぜ!


 オレが振るった聖剣は、ソイツの両腕を容易く切断し、頭を真っ二つ――――と思ったんだが、僅かに飛びずさって顔を裂くだけに留まった。

 しまったな、一撃で決めるつもりだったんだが……


 両腕を切断されて大声で叫ぶオーガ。

 オレは間髪いれずそいつの元に行こうとしたが、ちょっと大き目の固体が数体現れて邪魔をする。

 おや、一騎打ちは終わりですか? じゃあこっちも切り札を出させもらいましょう!


『出でよ! 骸骨王・ダンディ』あーんど『竜王・ニース!』


 えっ、オーガは我輩にも荷が重い? そう言うなよ、ほら、カシュアが持っていた聖剣貸してやるから。

 えっ、ペロペロしていいかって? いい理由無いだろ。さっさと行け!


「私が出る程の事はあるのかのう」

「ずべこべ言わずに行けよ」


 竜王ニースが、シブシブと言った感じで巨大な竜に変身する。

 それを見た瞬間、オーガ達がパニックに陥る。


「お、落ち着け! 奴は今や、老いて力を無くした朽ちるだけの竜王だ! もはやただの老害でしかない!」


 さすがにニースの事は知っているか。

 あんな事言われているが、どうなんだよ?

 えっ、別になんとも思わない?

 分かった、頑張ってくれたらその勇姿を、ユーオリ様のお子さんの、クォースちゃんに事細かく報告してやろう。


 何! それはマジか! と俄然張り切りだす老害。

 なんだかんだで老害と言われたのを気にしていたのか、オーガのボスはめった打ちでした。

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