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第102話

「君の所為で温泉に入りそびれちゃったじゃないか!」


 結局、女湯に入る度胸がなかったカシュアは風呂に入りそびれたそうな。


「分かった、分かった。早朝風呂ってのあるそうだぞ。こっちは人が少ないだろうから、こっそり入れば良いだろ」

「なるほど! 朝日を見ならが浸かるのも乙かもしれないね!」


 だが翌日、いくら起こしても起きやしない。


「うう~ん、あと5分……むにゃむにゃ」


 コイツ、人に起こしてくれって頼んでおきながら……

 せっかく目が覚めたんだ、その早朝風呂とやら、行って見るか。


「おお~、こりゃ凄い」


 未だ薄暗い景色、そのでかい大浴場には誰一人としていない。まるで貸しきり状態。

 そして山から昇る朝日! いやあ、絶景ですわ。

 来て良かったわぁ、ゴクラク、ごくらく……


 どれくらいそうして居ただろうか。

 ふと気づくと、湯気の向こうに人影が見える。

 その人影がゆっくりとオレに近づいてくる。


「え、エクサリー……!?」


 その人物は、生まれたままの姿をしたエクサリーであった!

 ど、どうしてココに? と、呟くオレを無視してオレに寄りかかろうとするエクサリー。

 その瞬間だった!


「お坊ちゃま!」


 ぐにゃりと景色が歪み、ラピスの顔が現れる!

 目の前の景色が一瞬にして切り替わる!


「ガボ、ゴボ、ガバッ!」


 どうやら温泉に沈んでいる模様。

 それをラピスが助け起こしてくれていた。

 やべぇ、寝てたのかオレ?


「眠りを誘発する香が焚かれていたようです! 気をつけてください!」

「お、おう……」


 周りを見ると、いくつかのモンスターがプカプカ浮いている。

 ラピスが既に討伐していた模様。

 暫く辺りを警戒して、ホッと息を付くラピス。


「お坊ちゃま、カシュアはどうしたのですか?」

「気持ちよく寝てるぞ」


 ほんと使えない奴ですね。って呟いている。

 えっ、ボウリックさんはって? 起こすの悪いと思ったから一人で来た。


「実はですね……」


 ラピスが言うには、どうやらオレの身が狙われている可能性あるのだとか。

 こないだの竜王戦で派手にやらかした所為で、モンスター達から要注意人物に認定されたかもしれない。なんて言う。

 なんでだよ? オレはほとんど何もしてなかった気がするんだが?


「私も半信半疑だったんですけどね。先ほどの一件、どうもそういう事らしいですね」

「冗談じゃないぞ、オレは兎も角、エクサリーとか狙われたらしゃれにならん」


 なんとかならないのかラピス。


「まあ、聖皇国は竜王ニースの縄張り、あそこに居る限りはそうそう襲われることはないでしょうが……」


 今回のように知らない土地に来た場合、地元のやんちゃ坊主がちょっかいを掛けて来る可能性大。

 知能有るモンスターにとっては、脅威となる可能性があれば排除に動く場合が多い。

 やられる前にやる、というのがモンスターの原則だからな。


「なので、今後は必ず護衛を付けてください」


 カシュアでも居ないよりかはマシですし。と言ってくる。

 あいつもレベルが上がって多少は頼りになってきている。


「オレの関係者が狙われる可能性は有るのか?」

「ない事はないでしょうが……」


 ヘルクヘンセンには骸骨が居ますから、なんとかするでしょ。

 ピクサスレーンにおいては、そもそも周り全てが脅威ですから、別段お坊ちゃまを特別視する事もないでしょう。

 そうラピスは続ける。


「ところで、そこの浮いてるモンスター共どうするんだ?」

「温泉が汚れないように手加減しましたからねえ。どっか捨ててきますよ」

「気をつけて行けよ」


 アイアイサーって言うと、モンスターを担いで走り去るラピス。

 オレもさっさと温泉から上がって着替えるか。


「ひどいよ君、起こしてくれるって言ってたじゃないか!」


 そこへ全裸のカシュアが登場。

 いや起こしたぞ、なのに起きなかったのはお前の方だ。


「ハッ、さてはきみぃ! ボクの裸が見たくて潜んでいたんだね! ハッハッハ、キミとボクの仲だ! 存分に見ると良いよ!」


 ウザッ!

 オレはカシュアを湯船に蹴り入れると脱衣所へ戻る。

 カシュアも悪い奴じゃないんだが、あのウザさはなんとかならないものだろうか?

 と、服を籠から取ろうとした所、なんだか重い。


 良く見るとロリ猫が丸くなって寝ている。

 おい、なんでこんな所で寝ているんだよ? えっ、トイレに起きた後、オレの匂いがしたのでここまで来た?

 だからってこんな所で寝るなよ。


 ――ガブリ。


「いだだだ! なんだよ急に!」


 背後からお尻に食いつくロリドラゴンが一匹。

 えっ、仲間はずれいくない? いや別に遊んでた訳じゃないぞ?


「朝から賑やかだな。ここは家じゃないんだから他のお客に迷惑だぞ」


 ボウリックさんがそう言いながら服を脱いで温泉場へ向かう。

 おっとそう言えば、先ほどのモンスターの襲撃を言っとかないと。

 オレがボウリックさんの方へ向かった時だった。

 突然ボウリックさんが、白豚が浮いている! って叫んでいる。


 ん? まだモンスターが残って居たか?

 と、良く見てみると、どうやらカシュアが沈んでいる模様。

 ああ……眠り香、まだ効果が残っていたか……

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