大失恋の傷を癒す為に、僕は綺麗な湖を巡る旅に出る
旅には、いろいろな種類があります。今回の物語の旅は、主人公が大失恋の傷を癒す為に、綺麗な湖を巡る旅です。果たして、主人公は大失恋の傷を癒す事ができるのでしょうか。さぁ、幕開けです!
僕は、大失恋をしてしまった。
僕には、高校時代から付き合っていた女性がいた。その女性は、可愛くて笑顔がキラキラ輝いていて、僕が一目惚れし、高校一年生の時に告白したが、その時はフラれた。しかし、僕は諦める事なく、猛アタックを続け、高校二年生の時、体育祭の長距離走で一位になったら付き合うという約束を取り付け、必死に練習し、本番を迎え、死に物狂いで走ったが、結果は惜しくも二位。失意に打ちひしがれていたが、僕の頑張りを見た彼女が感動し、僕と付き合う事をOKしてくれた。
それからは、楽しい事のオンパレード。初めてのキスは、高校の屋上にて。周りに誰もいないのを確認してから、一気に唇を彼女の唇に重ね合わせた。順調に愛を育み、なんと、同じ大学に合格した。大学生活でも、いろいろなスポットでデートし、どんどん愛が深まり、二人っきりで旅行にも行った。
しかし、社会人になってから、潮目が変わった。別々の会社に就職し、彼女は順調に仕事をこなしていたが、僕が就職した会社は、ブラック企業とまでは言わないが、仕事がきつい割には給料が安く、精神的に追い詰められながら仕事をしていて、時々、彼女と会っている時に八つ当たりをしてしまった。そんな事を繰り返しているうちに、どんどん彼女の気持ちが離れて行くのを、僕は気付かなかった。そして、僕の誕生日に、彼女に指輪を差し出して結婚を申し込んだ時、彼女に、他に好きな人ができたと言われ、プロポーズを断られてしまった。
そのまま、僕と彼女は別れてしまい、僕の心に、深い傷が刻まれた。
あれから、かなりの時間が過ぎ、僕は決断した。
―このままだと、僕は前に進めない。大失恋の傷を癒し、前に進む為に、旅に出よう。一緒に行った、思い入れのある綺麗な湖をゴールにして、いろんな湖を巡る旅にしよう。ゴールの湖で、果たせなかった事を果たせたら、前に進めそうな気がする!スタートは、何処の湖にしよっかな~。え~と。そうだ!ゴールの湖は北海道にあるし、北海道から遠い九州の湖にしよう!そうだな~。鹿児島にあるカルデラ湖なんていいな~。よし!決めた!スタートは池田湖だ!池田湖から始めて、東に向かって進みながら綺麗な湖を巡って、ゴールはあの北海道の湖だ!よ~し!そうと決まれば、善は急げだ!まとまった連休を取る為に、死に物狂いで仕事を頑張るぞ~!―
僕は今、東京に住んでいる。綺麗な湖を巡る旅をする為には、かなりのまとまった連休が必要だ。次の日から、僕は死に物狂いで働きまくった。普段から残業していたが、連日、深夜に及ぶ残業をこなし、努力の甲斐があって、漸く、旅に必要な連休を取る事に成功した。
―よっしゃ~!まとまった連休を取る事ができたぞ~!明日から、ゆっくり綺麗な湖を巡って、大失恋の傷を癒して、前に進むぞ~!―
その日も遅くまで残業していた事もあり、家に帰ってから旅の準備を完了させると、すぐにパタッと眠りについた。
翌朝、目が覚め、朝御飯をパパッと食べ、外出の準備を完了させ、意気揚々と家を出発!空は雲一つ無い晴天。太陽の光に照らされ、僕のテンションが上がる。
―あ~、いい天気だ~!最高の旅日和だ~!いい事が起こりそうな気がするなぁ!―
元気良く歩き、電車に乗って羽田空港に移動。飛行機に乗り、鹿児島空港に到着し、レンタカーで移動し、池田湖に到着。
―お~!これがカルデラ湖の池田湖か~!初めて来た~!すっごく綺麗な湖だ~!何だか、いい旅になりそうだな~!―
暫くの間、太陽の光に照らされてキラキラ輝いている池田湖に見入る。池田湖の湖畔には、たくさんの花が咲いていて、池田湖に負けず劣らず綺麗で、こちらにも見入ってしまう。その日は平日で、人が少なく、まるで池田湖を独り占めしているような気分になる。湖畔を歩き回り、湖を見たり花を見たりして、自分に言い聞かせるように心を穏やかにする。更にじっくりと見て回り、さすがにそろそろ行く事にした。
―さぁ、次は日本一の面積を誇る琵琶湖に行くぞ~!何気に、琵琶湖も初めて行くんだよな~!こんなにも生きて、琵琶湖に行った事が無いなんて、勿体無いよな~!―
池田湖を後にし、レンタカーに乗って鹿児島空港に移動。飛行機に乗り、伊丹空港に到着。電車に乗って移動し、暫く歩き、念願の琵琶湖に到着した。
「お~!これが日本一の広さを誇る琵琶湖か~!期待を裏切らない、壮大な湖だな~!太陽の光に照らされてキラキラ輝いていて、綺麗だ~!観光船もあるぞ~!後で乗ってみよう!すっごく楽しみだよ~!」
あまりのスケールの大きさに、思わず大きな声で独り言を言ってしまった。周りを見回すと、思ったよりも人が多く、僕を見てクスクスと笑っている人もいて、恥ずかしさで少し顔が赤くなった。
琵琶湖の湖畔をゆっくりと歩きながら、壮大な琵琶湖の景色を堪能する。時々、立ち止まって見渡すと、部分部分で様々な様相を呈していて、見ていて飽きない。
―本当にめちゃくちゃ広い湖だな~!まるで海みたいだよ~!なんで今まで、こんなにも素晴らしい琵琶湖に来なかったんだろうな~。もっと早く来れば良かった~!今日は琵琶湖の近くにあるホテルに泊まるし、じっくりと琵琶湖を満喫するぞ~!―
更に歩き回り、琵琶湖を堪能する。琵琶湖を見ている間は、大失恋の事が頭から消え、清々しい気分になる。どんどん歩き進むと、ふと、一人の女性が目に入った。その女性は、綺麗でスタイルが良く、見栄えがする。琵琶湖をじ~っと見つめていて、話し掛けづらい雰囲気を醸し出している。
―あそこにいる女性、綺麗だな~。あいつは可愛い感じの女性だったけど、この女性は、可愛いというよりは綺麗な人だな~。それにしても、真剣に琵琶湖を見つめてるなぁ。ここまで真剣に見つめてる人は、この女性だけだな~。気になるけど、さすがに初対面の僕に話し掛けられたら、ドン引きしそうだな~。しかも、怪しい人と思われて、警察を呼ばれたら、大変な事になるなぁ。ここは、話し掛ける事なく、通り過ぎるか~―
相当気になったが、この女性に話し掛けずに通り過ぎる事にし、スタスタと歩いて行く。この女性の少し後ろを通り過ぎようとした、その時、この女性が、急に僕の方を向き、笑顔を浮かべながら、声を掛けてきた。
「あの~、さっきから、私の事、見てましたよね?何か御用ですか?」
―げっ!僕が見てたのに気付いてたのか~!やばい!この人、僕の事、怪しい人って思ってるかもしれないぞ!どうする?逃げるか?う~ん、でも、逃げたら余計に怪しまれて、警察を呼ばれる可能性が高まるかもしれない。待てよ、そもそも、ただ見ていただけでは、犯罪にならないよな~。よし!ここは、正直に言って、この場を乗り切るぞ~!―
「す、すみませんでした!あなたがあまりにも綺麗で、真剣に琵琶湖を見ていて、思わず見とれちゃっていました!気分を害しちゃいましたか?」
僕の言葉を聞き、その女性が大笑いしながら僕を見てきた。
「あはははは。あなた、そんな事を気にしてたの~!めっちゃ面白い人やね~!大丈夫やで!気分を害してへんし、あなたの事、怪しい人なんて思ってへんで~!私の事、あまりにも綺麗なんて褒めてくれて、ありがと~!めっちゃ嬉しいわ~!」
「そ、そうなんですか。良かった~!警察を呼ばれるんじゃないかと、ヒヤヒヤしましたよ~。あまりにも綺麗っていうの、本心ですよ!」
「ウフフ。警察なんて呼ぶ訳ないやんか~!あなた、ほんまに面白いな~!私、敬語使ってへんし、あなたも敬語なしでいいで~!」
「そ、そう?分かった。敬語を使わないようにするよ。ところで、なんでこんなにも真剣に琵琶湖を見つめてたの?何か深い理由があるの?」
「あ、そうやね。気にしてたんやもんね。初対面の人に、こんな話をするの、どうかと思うけど、これも何かの縁やし、言ってあげるわ。私ね、最近、大失恋したんや。その傷を少しでも癒したくて、大好きな琵琶湖に来て、じっくりと眺めてたんや」
「え~!そうなんだね~!実は、僕も大失恋の傷を癒す為に、琵琶湖に来たんだよ~!僕に関しては、スタートをカルデラ湖の池田湖にして、二つ目の湖で琵琶湖に来たんだよ。この後、琵琶湖の近くにあるホテルに泊まって、明日からも綺麗な湖を巡る旅を続けるよ」
「お~!大失恋の傷を癒す為に琵琶湖に来たっていうの、同じなんやな~!しかも、あなたは、旅をしてるんやな~!凄いわ~!これも何かの縁やし、良かったら、どんな大失恋をしたのか、教えてくれへん?私も教えるで~」
「うん。分かった。教えるよ」
僕が大失恋の話をすると、その女性は、真剣に聞いてくれて、目を潤ませながら僕に言ってきた。
「そうやったんや。めっちゃ辛い思いをしたんやね。私も言うわ。私、その男の人と、高校時代から付き合い始めたんや。私もその人も、同じ強豪の陸上部で長距離走をしてたんやけど、お互い励まし合ってるうちに、向こうの方から告白してきて、即OKしたんや。高校時代は、私もその人も、長距離走を順調にこなしていて、二人共、インターハイに出場する事ができて、駅伝の全国大会にあと一歩というところまで行けたんや。で、同じ大学に陸上推薦で進学して、暫くは順調に走ってたんやけど、その人、練習中に大怪我をして、必死にリハビリを頑張ったんやけど、医者から、もう長距離走は無理って言われて、諦めざるを得ず、大学も中退して、うつ病になって塞ぎ込んでしまったんや。私は、その人を支えようとしたけど、八つ当たりされたりして、どうしても支えきれず、私の方から逃げるように離れて、別れてしまったんや。今から思えば、なんでもっと必死に支えてあげる事ができなかったんやろうと、めっちゃ後悔してる。私もその人も、琵琶湖が大好きで、よくデートで来てたから、琵琶湖をじっくり眺めたら、少しは大失恋の傷が癒せるかもしれへんと思って、ここに来たんや」
「そ、そうなんだね~!八つ当たりの話とか、僕の大失恋と共通する点があって、他人事とは思えないよ~!随分、辛い思いをしたんだね。君に責任は無いと思うよ。別れたのは、仕方がないと思う。琵琶湖をじっくりと見て、少しは失恋の傷が癒えた?」
「う~ん。正直に言うと、全然癒えてへんわ。それどころか、あの人とのいろんな思い出が頭の中に浮かんできて、余計に辛くなったわ」
「そ、そうなんだ~。そ、それは、何と言ったらいいのか分かんないけど、僕は、早く失恋の傷が癒えるように願うしかないよ」
「あはは。あなた、優しいんやね。ありがとうね。ねぇ、良かったら、あなたの旅に、私も連れて行ってくれへんかな?あなたの旅に一緒に行ったら、ほんまに大失恋の傷が癒えるかもしれへんわ」
「え!僕は構わないけど、本当にいいの?一応、僕、男やし、初対面の男と一緒に旅するなんて、女性としては、どうなのかな~と思うけど」
「ウフフ、私は全然オッケーやで!じゃあ、決まり~!ねぇ、折角ここまで来たんやし、一緒に観光船に乗ろうや!お近付きの印って事で!」
「うん!分かった。乗ろう!丁度、僕も乗りたいと思ってたんだよ~!」
「そうや!琵琶湖をバックにして一緒に写真を撮ろうや!天気いいし、最高の写真が撮れそうやで~!」
「うん!撮ろう!綺麗な女性と一緒に写真を撮るの、すっごく嬉しいよ!」
「ウフフ、そう言ってくれて、私も嬉しいわ。ありがとうね!私のスマホで撮るで~」
その女性がスマホを右手に持ち、二人で顔を寄せ合い、身体をピッタリとくっつけると、その女性のおっぱいが僕の身体に当たり、一気にドキドキしてきた。そんな僕の様子を見て、その女性が笑いながら僕に言ってきた。
「あ、おっぱいが当たっちゃってるね。顔が赤くなってるけど、ドキドキしちゃったかな?」
「あ~、やっぱり顔が赤くなっちゃってたんだね~。そりゃ~、ドキドキしちゃうよ~」
その女性がスマホの角度を調整し、シャッターボタンをタップ。シャッター音が鳴り、二人で撮れた写真を確認し、満面の笑顔になった。
「お~!めっちゃ綺麗な写真が撮れたわ~!私もあなたも琵琶湖も綺麗に写っていて、最高の写真やわ~!あなたのスマホに送ってあげるから、連絡先を教えてや~」
「うん!すっごくいい写真だね~!写真撮るの、上手いね~!ありがと~!君の連絡先も教えてね~」
連絡先を教え合い、その女性が撮れた写真を僕のスマホに送信してくれた。その後、二人でいろいろな話をしながら、並んでどんどん歩き、観光船乗り場に到着。乗船券売り場に行き、僕が笑顔で言葉を掛ける。
「ここは僕が払うよ~!一緒に観光船に乗れるの、すっごく楽しみで嬉しいし!」
「お~!ありがと~!太っ腹やね~!めっちゃ嬉しいわ~!」
僕が乗船券を二枚購入し、一枚をその女性に渡し、二人で意気揚々と観光船に乗り、席に座り、少しの間、楽しくおしゃべりしながら待っていると、出航のアナウンスが船内に響き、観光船が出航した。窓の外の景色を、ガイドの説明を聞きながら眺め、僕もその女性もテンションが爆上がり。
「お~!さすが琵琶湖!すっごく綺麗な景色だね~!ガイドの説明も分かり易くて、最高だよ~!」
「うん!ほんまに綺麗な景色やし、説明も分かり易くていいわ~!何回も乗った事があるけど、いつも感動するわ~!ねぇ、上に上がって、デッキから景色を見ようや!」
「うん!そうだね!外に出ると、風が気持ち良さそうだね~!」
二人で席を立ち、上に上がり、並んでデッキから景色を眺める。風が気持ち良く、窓越しではない綺麗な景色に魅了される。
「お~!デッキから見る景色の方が、より綺麗に見えるね~!風が気持ちいい~!最高だよ~!」
「ほんまに綺麗やわ~!いつ乗っても、風に吹かれるのが気持ちいいわ~!」
暫くの間、デッキから見る景色を堪能し、元の席に戻り、のんびりと景色を見たり、楽しくおしゃべりしたりして過ごしていると、あっという間に船着き場に到着。観光船から降り、観光船乗り場から出たところで、僕がその女性に訊ねる。
「これからどうする?家はここからそんなに遠くないんだよね?一旦、家に帰る?」
「そうやな~。私、大阪に住んでるし、一旦、家に帰るわ。晩御飯を一緒に食べようよ。お勧めのお店があるんや~」
「うん!分かった。料理が美味しそうな感じがするね~!すっごく楽しみだよ~!」
二人でどんどん歩き進み、お目当ての店に到着。普通の居酒屋という感じの店で、情緒溢れる外観。
「雰囲気のある居酒屋だね。ちょっと意外だったな~。もっとお洒落な店を想像してたよ」
「ウフフ。私、こういうお店が好きなんやで~。もしかして、ガッカリさせちゃった?」
「とんでもない!嬉しいよ!僕も、こういう店が好きなんだよ~!」
「お!それは良かった!さぁ、行くで~!」
二人で店に入ると、威勢のいい女性店員が、元気の良い声で迎えてくれた。
「いらっしゃいませ~!お、久し振りですね~!隣にいる方は、初めてですね~!」
「そうやねん!実は、琵琶湖で出会った人やねん~!この人、旅してるんやで~!かっこいいやろ~?」
「そうですね~!旅って、いいですね~!どうぞごゆっくり~!」
「ありがとうございます!今日から旅をしてます!明日から、この女性も一緒に旅をするんですよ~!」
「そうやねん!明日から、この人と一緒に旅するの、めっちゃ楽しみやわ~!」
「え~!そうなんですか~!初対面で意気投合するなんて、相性バッチリですね~!」
女性店員の言葉を聞き、僕達が顔を見合わせ、クスクスと笑い合い、女性店員に案内され、席に座った。そして、僕が気になった事を訊ねる。
「そういや、お酒を飲める年齢なの?二十歳未満はお酒飲めないよ」
「あはは。そんなの常識やんか~!お酒を飲める年齢やで~!何にする?私は生ビール中ジョッキにするわ!」
「お~!それを聞いて安心したよ~!僕も生中にするよ~!」
店員を呼び、生ビール中ジョッキ二つと、その女性お勧めの料理を注文。少しの間、いろいろな話をして盛り上がっていると、店員が生中を二つ運んで来た。二人でジョッキを持ち、その女性が元気良く声を出す。
「じゃあ、乾杯しよう!かんぱ~い!」
「うん!かんぱ~い!」
ジョッキをカチ~ンと合わせ、グイッとビールを飲む。その女性の飲みっぷりが豪快。
「うん!ビールめっちゃ美味しいわ~!いい出会いのビールは最高やわ~!」
「うん!ビール本当に美味しい~!綺麗な女性と一緒にビールを飲めて、最高だよ~!」
「あはは。あなた、ほんまに口が上手いね~!でも、嬉しいわ!ありがと~!」
店員がどんどん注文した料理を運んで来て、二人で勢い良く食べる。どの料理も美味しくて、会話が弾む。
「お~!すっごく美味しいよ~!いい店に連れて来てくれて、ありがと~!」
「ウフフ。気に入ってくれたようで、嬉しいわ~!このお店、別れた男の人とよく来てたんや。あなたと一緒に来て、少しはその時の思い出が上書きされて、傷が癒えた感じがするわ~」
「そ、そうだったんだね。何となく、そんな気はしてたけどね。でも、失恋の傷が少し癒えたようで、良かったよ」
「あはは。湿っぽい話はこの位にして、どんどん食べて飲もう!ところで、明日はあなたが泊まるホテルに迎えに行きたいんやけど、どこのホテルなの?」
「え~!迎えに来てくれるんだね~!嬉しいよ~!」
僕が今日泊まるホテルの名前を言って、明日、一階のロビーで待ち合わせる事になった。更にどんどん食べて飲み、全て平らげ、そろそろ店を出る事になった。
「ここも僕が払うよ~!すっごく楽しかったし、明日から一緒に旅するの、とっても楽しみだし!」
「お~!相変わらず太っ腹やね~!じゃあ、お言葉に甘えさせてもらうわ!ありがと~!御馳走様でした~!」
二人でレジに向かい、僕が飲食代を支払い、店を出て暫く歩いたところで、その女性が笑顔で僕に言ってきた。
「じゃあ、私は家に帰るわ。また明日ね~!ホテルに迎えに行くで~!明日から一緒に旅するの、めっちゃ楽しみやわ~!」
「うん!また明日ね~!僕も明日から一緒に旅するの、すっごく楽しみだよ~!」
その女性は家に向かい、僕は泊まるホテルに向かった。ホテルに到着し、部屋で寛いでいる時、ふと、考える。
―まさか、琵琶湖で出会った女性と一緒に旅する事になるなんて、思いもしなかったな。人生、何が起こるか分からないな~。明日から、綺麗でスタイルの良い女性と一緒に旅するなんて、楽しみだし嬉しいな~。少しだけ、大失恋の傷が癒えたような気がするよ。今日は早く寝て、明日に備えよう―
お風呂に入り、歯磨きトイレを済ませ、ベッドに横になると、すぐに眠りについた。
翌朝、目が覚め、朝御飯を食べ、ササッと外出の用意を整え、一階ロビーに行くと、昨日出会った女性が、ソファーに座って待ってくれていた。
「おっはよ~!今日もいい天気やな~!絶好の旅日和やで~!」
「おはよ~!ほんとにいい天気だね~!ワクワクするよ~!」
僕がチェックアウトを済ませ、二人で意気揚々とホテルを出たところで、その女性が僕に訊ねてきた。
「ところで、これから何処の湖に行くの?旅の行程を聞いてなかったから、気になってたんやで~」
「うん。楽しみにしてもらう為に、わざと言ってなかったんだよ~。今日は、これから浜名湖に行くよ~。その次に、霞ケ浦に行って、その近くのホテルに泊まるよ」
「お~!浜名湖に霞ケ浦か~!どっちも行った事ないし、めっちゃ楽しみやわ~!ところで、ホテルの部屋、シングル二部屋やんな?」
「そりゃそうだよ。まさか、二人一緒の部屋だと思ったの?」
「あはは。そんな訳ないやん。そりゃ、シングル二部屋やと思ってたけど、念の為、確認しただけやで~」
そんな会話をしてから、電車と新幹線に乗って移動し、浜名湖に到着。太陽の光に照らされ、キラキラ輝く水面を見て、僕もその女性もテンションが爆上がり。
「お~!浜名湖、近くで見ると、眩しい位、輝いていて、すっごく綺麗だな~!浜名湖を旅の行先に選んで良かったよ~!」
「ほんまや~!初めて来たけど、めっちゃ綺麗やわ~!海がすぐ近くにあるのが、ほんまにいい感じやな~!最高やわ~!」
二人で浜名湖をじっくりと見て堪能したところで、僕が笑顔でその女性に言う。
「浜名湖を上から眺められるロープウェイがあるんだよ~。乗ってみようよ!」
「お~!ロープウェイか~!勿論乗るで~!めっちゃ楽しみやわ~!」
二人でロープウェイ乗り場に行き、僕がチケットを二枚購入し、二人でロープウェイに乗り、上から浜名湖の雄大な景色を堪能する。
「お~!上から見る浜名湖、地上で見るのとは違った感じで、めちゃくちゃ綺麗だな~!感動的な風景だよ~!」
「うん!めっちゃ綺麗な景色やわ~!浜名湖が一面キラキラ輝いていて、最高やわ~!」
ロープウェイから見る景色をしっかりと堪能し、ロープウェイから降り、浜名湖を後にし、電車と新幹線とバスに乗り、次の目的地である霞ケ浦を目指し、到着。日本で二番目に面積が広い壮大な湖の景観に、二人で感動し、テンションが爆上がり。
「これが有名な霞ケ浦か~!初めて来たよ~!琵琶湖も壮大だったけど、霞ケ浦も雄大な感じで、魅了されるよ~!」
「霞ケ浦、ほんまにいいな~!こんなに雄大な湖とは知らんかったわ~!ここに来る前は、実は、そんなに期待してなかったけど、予想よりもはるかにいい景色で、最高やわ~!来て良かった~!」
二人で霞ケ浦を見ながらゆっくりと歩き、いろいろな話をする。
「ねぇ、今回の旅、どうやって行き先の湖を決めたの?」
「お、いい質問だね。ゴールの湖にはこだわりがあって、スタートは九州にある池田湖にして、琵琶湖にも行きたいな~って思ってたんだよ。残りの湖は、琵琶湖とゴールの湖の間にある湖をどんどん巡るという感じだよ。琵琶湖に行って、君と出会えて良かったよ」
「そうだね~。琵琶湖に来てくれなかったら、私とあなた、会えなかったんやな~。偶然とはいえ、最高の出会いに感謝やわ~。ところで、ゴールの湖って何処なの?」
「それはまだ言えないな~。楽しみにしていてよ~。その湖、別れた女性と、前に行った事があるんだけど、その時に出来なかった事を出来たら、前に進めそうな気がするんだよ」
「そうなんや~。そんな思い入れのある湖に、私と一緒に行って、大丈夫なの?一緒に行っていいんかな~って気になっちゃうわ~」
「あはは。勿論いいよ~。寧ろ、一人で行くより、一緒に行ってくれる方が、気分が落ち着くし、嬉しいよ~」
「それを聞いて安心したわ~。楽しみにしてるで~。ところで、霞ケ浦、いい雰囲気の湖やな~。見てると、吸い込まれそうな気になってくるわ~」
「え~!いい雰囲気だけど、吸い込まれたらダメだよ~!いくら雄大で綺麗な湖とはいえ、落ちたら大変だよ~」
「そんなん分かってるわ~。ふと、あの人の事が頭に思い浮かんできて、霞ケ浦に飛び込んだら、過去に戻って、あの人をもっと献身的に支えられるのかな~なんて思っちゃって。そんな訳ないのにな~。私、やっぱ変やな~。こんな話止めよう!」
「そうなんだね。まだ失恋の傷は深そうだね。僕と一緒に旅して、少しでも傷が癒えればいいんだけどね。僕の失恋の傷は、君の笑顔のお陰で、少しずつ癒されてるよ。一緒に来てくれて、ありがとうね。僕一人だけだったら、もしかしたら、もっと傷が深くなってたかもしれないよ」
「え~!そうなんや~!そう言ってくれて、嬉しいわ!ありがと~!私の心の傷も、ほんの少しだけ、癒されてるで!」
「お~!それは良かった~!ほっとしたよ~!霞ケ浦のお陰で、いろいろ深い話ができたね~。残りの旅で、お互い完全に失恋の傷が癒えるといいね~!」
更に歩き回って霞ケ浦を堪能し、霞ケ浦を後にし、店で晩御飯を食べ、今日泊まるホテルに到着。
チェックインを済ませ、それぞれの部屋に入ろうとした時、その女性が僕に言ってきた。
「そうや!私の分の宿泊代を払うで!交通費もや!いくらなの?」
「あ~、別にいいよ~。一緒に来てくれて、すっごく楽しくて嬉しいし、感謝してるよ」
「そんな訳にはいかへんで!私の分は絶対に私が払うで!私が一緒に行くって言ったんやし。いくらなのか教えてや!教えてくれへんかったら、今から家に帰るで!」
「わ、分かったよ。決心は固そうだね。金額を言うよ」
「うん!それでいいんや!これで、気兼ね無く一緒に旅を続けられるわ!」
その女性の分の宿泊代と旅費を受け取り、ニッコリ笑顔で微笑み合う。
「じゃあ、また明日ね~!いい夢を見てね~!おやすみ~!」
「うん!綺麗な女性が隣の部屋にいると思うと、ドキドキしてなかなか眠れないかもね~」
「あはは。何言ってんねん。ほんま、面白い人やな~」
「え~!本心だよ~。眠れなかったら電話するよ~。おやすみ~」
そんな会話をしてから、それぞれの部屋に入り、僕もその女性も、部屋で寛いだ後、ベッドに横になった。その女性はすぐに眠りについたが、僕はなかなか眠れず、本当に電話しようかなと思ったが、起こしたらまずいと思い直し、何も考えないようにして目を閉じると、いつの間にか眠りについた。
翌朝、目が覚め、朝の用意を済ませ、朝御飯を一緒に食べ、チェックアウトし、ホテルを出発。今日行く湖は、猪苗代湖と十和田湖。レンタカーを借り、僕の運転でどんどん走り進む。思ったよりも時間がかかり、猪苗代湖に着いたのは良かったが、あまり時間が無く、二人で絶景を堪能した後、すぐに車に乗って十和田湖を目指す。徐々に運転に疲れてきたが、その女性に運転してもらうのも、ちょっと不安な思いがあり、頑張って運転を続ける。そんな時、ふと、その女性が僕に言ってきた。
「運転ありがとうね。言ってなかったけど、私、運転免許を持ってへんねん。その分、楽しい話をして、眠気を吹っ飛ばしてあげるわ」
「あ、そうだったんだね。全然オッケーだよ!楽しい話、期待してるよ!」
そんな会話をしてから、少しの間、楽しい話をしていると、その女性が急に眠り出してしまった。寝顔が可愛く、見とれてしまいそうになるが、前を見るようにして、眠気と戦いながら運転を続け、漸く十和田湖に到着。透き通るような綺麗な湖や、周りの雄大な自然に感動しながら満喫したが、遅い時間になってきたので、あまり時間を取る事ができず、車に乗って移動し、今日泊まるホテルに到着。車を駐車し、近くの居酒屋で一緒に晩御飯を食べ、ホテルに戻り、それぞれの部屋に入り、ベッドに横になると、疲れていたからなのか、すぐに眠りについた。
翌朝、車に乗って青森空港近くのレンタカー屋で車を返却し、飛行機に乗って新千歳空港に到着。またレンタカーを借り、僕が車を運転して次の湖を目指している時、その女性が僕に訊ねてきた。
「ねぇ、今日は何処の湖に行くの?行き先が分からへん状態で進むの、ワクワクするけど、気になって仕方が無いわ」
「あはは。そりゃそうだよね。今日はこれから、まずは洞爺湖に行って、それから支笏湖に行って、札幌に行って、ホテルに泊まるよ。明日、いよいよゴールの湖に行くよ」
「お~!そうなんや~!洞爺湖に支笏湖か~!行った事ないし、めっちゃ楽しみやわ~!ところで、そろそろゴールの湖を教えてや~!さすがに気になるわ~!ゴールの湖で、何をする事ができたらいいの?」
「はっは。まだ言えないな~。明日の朝に言ってあげるよ~」
「え~!何それ~!まだ言ってくれへんのか~。ま、いいわ。楽しみにしとくわ~」
どんどん車を走らせ、洞爺湖に到着。期待通りの綺麗な湖で、二人でハイテンションで盛り上がりながら、じっくりと洞爺湖を眺めて堪能し、再び車に乗って移動。どんどん走り進み、思ったよりも早く支笏湖に到着。洞爺湖とは違った魅力溢れる湖で、天気が良く、青色が映える水面に、僕もその女性もテンションが爆上がり。
「お~!この湖、すっごく青いね~!周りの自然と調和していて、最高だね~!」
「うわ~!めっちゃ綺麗な湖やわ~!この湖を旅の行程に入れてくれて、連れて来てくれてありがと~!最高~!感動~!」
二人でじっくりと支笏湖に見入り、感動したところで、いつの間にか遅い時間になっているのに気付き、慌てて車に飛び乗り、僕がどんどん車を走らせ、札幌にある、今日泊まるホテルに到着。車を駐車し、札幌の料理を堪能できる居酒屋で、じゃがバターやいくらやサーモン等の料理を味わい、ホテルに戻り、チェックインをしようとした時、驚愕の事実を目の当たりにした。なんと、予約した部屋は、二人部屋のダブルルーム!
「え~!シングルルーム二部屋を予約したはずですよ!ダブルルームなんて、何かの間違いでしょ?」
「そうおっしゃられても、申し訳ございませんが、予約はダブルルームとなっておりまして、本日は、もう満室で、他の部屋を用意する事ができません」
「え~!そんな~!どうしよう」
僕が困った表情で横を見ると、その女性が、やれやれといった表情で僕を見てきた。
「私は、別に同じ部屋でもいいで。あなた、誠実やし、心配してへんで」
「え~!本当にいいの?僕、一応、男だよ。同じベッドで寝て、平気なの?」
「大丈夫やで。一緒に旅をして、あなたの事、信用できるって分かったし」
「そ、そうなのか。わ、分かった。じゃあ、ダブルルームで一緒に泊まるか~」
チェックインを済ませ、カードキーを受け取り、いよいよ一緒に部屋に入った。当然の事ながら、ベッドはダブルベッド一つだけ。ソファが無く、ベッドで寝るしかない。
「まぁ、あまり意識せず、自然体で過ごそう。疲れたでしょ。先にお風呂に入っていいよ」
「あはは。言われなくても自然体で過ごすで。運転で疲れたやろうし、先にお風呂に入ってや。私は後でいいで」
「そ、そうか。分かった。じゃあ、先にお風呂に入るよ」
僕がお風呂に入り、下着と部屋着を着て、ベッドに座る。
「お風呂、気持ち良かったよ。入って来てよ」
「うん。分かった。じゃあ、お風呂に入るか~!見たかったら、私の裸を見てもいいで~」
「な、何言ってんだよ!見る訳ないでしょ!変な事を言ってないで、早く入ってよ!」
「あはは。冗談やんか~!あなたの慌ててる顔、めっちゃ可愛いで~!」
「う~。からかったんだね~。さすがにびっくりして、ドキドキしたよ~」
その女性が洗面所に行き、下着と服を脱いで裸になり、浴室に入ってシャワーを浴び始めた。シャワーの音が聞こえ、僕の心臓がバクバクする。
―今、裸でシャワーを浴びてるんだな~。あの女性、セクシーだし、嫌でも想像しちゃうな~。どんな風にシャワーを浴びてるんだろ~。身体の何処の部分から洗ってるのかな~。あ~、心臓が口から飛び出そうだな~!―
ドキドキしながら待っていると、その女性がお風呂から上がって、こっちに歩いて来た。その姿は、なんと、身体にバスタオル一枚だけを羽織っている状態!
「ちょ、ちょっと!何だよその恰好!そのバスタオルを取ったら、裸なの?」
「ウフフ。勿論、このバスタオルを取ったら、裸やで~!いろんな湖に連れて来てくれたし、御礼に、バスタオルを取ってもいいで~!」
「な、な、何言ってんだよ!取る訳ないでしょ!まさか、このままの状態で一晩過ごすつもりなの?」
「うん!この状態が一番楽やし~!いつでもこのバスタオルを取っていいで~!」
「おいおい!そんな事言われても、取らないよ!仕方ないなぁ。何処を見たらいいのか分かんないよ~!」
「あはは。あなた、やっぱり可愛いな~!私、眠くなってきたし、寝る準備をして、もう寝るで~。おやすみ~」
「う、うん。おやすみ」
その女性が寝る準備を整え、ベッドに横になると、すぐに眠り出してしまった。今にもバスタオルが取れそうで、僕の心臓が、口から飛び出そうな位バクバクする。
―この女性、とんでもなく自然体だな~。僕の事、男として意識してないのかな~。信用してるって言ってたけど、理性を保てるかどうか、不安だよ~!―
暫くの間、テレビを観たりスマホをいじったりして過ごしていたが、さすがに眠くなり、寝る準備を整え、その女性の隣でベッドに横になり、目を閉じた。どんどん時間が経つが、全く眠れる気がしない。
―この女性、よくこんなにも気持ち良さそうに眠れるなぁ。僕は全然眠れそうにないよ。明日の運転に差し支えそうだな~。まぁ、目を閉じてるだけでもだいぶ違うし、目を閉じ続けるか~―
目を閉じ続け、何も考えないようにしていたが、やはり隣にいる女性の事が気になり、目を開け、横を向き、その女性を見た。すると、その女性の目から、涙が流れていた。
―この女性、泣いてる!寝ながら泣くなんて、まだ大失恋の傷が癒えてないんだな~。僕は、この女性のお陰で、そこそこ大失恋の傷が癒えたし、明日は、この女性の大失恋の傷を癒す為に頑張らなきゃいけないな~―
その女性の涙を見て、決心がついた時、身体に纏われているバスタオルがパラッと取れ、その女性の裸が見えた。
―うわっ!やばい!裸を見てしまった!どうしよう。う~ん。ここは、そっとバスタオルを身体に纏わせて、見てなかった事にするか~―
僕がそっとバスタオルをその女性の身体に纏わせた。その女性はまだ眠っている。ティッシュでその女性の涙を拭い、再びその女性の横で寝転がり、目を閉じていると、長い時間がかかったが、何とか眠りにつく事ができた。
翌朝、目が覚めると、その女性が笑顔を浮かべながら僕をじ~っと見ている。
「おっはよ~!あなたの寝顔、男なのに可愛いね~!思わず見入っちゃったわ~」
「おはよう。そんなに可愛い寝顔をしてたのか~。何だか、恥ずかしいな~」
「ウフフ。ところで、昨日の夜、バスタオルが取れた時、私の身体に何もせず、バスタオルを身体に纏わせてくれたね。あなたの誠実さに感心したけど、何もされなかったのは、ちょっとショックやったわ~」
「え~!気付いてたんだね~!びっくりしたよ~!相当我慢したんだよ~!」
「あはは。我慢しなくて良かったのに~。でも、私の裸を見たでしょ?」
「え!そ、それは、見ちゃったけど、ちょっとの間だけだよ」
「あはは。正直でよろしい!裸を見られたの、全然大丈夫だよ~!」
「そ、そうなんだね。よ、良かった~。ほっとしたよ」
ベッドから起き上がり、一緒に朝御飯を食べ、朝の用意を済ませ、ホテルから出た。
車に乗り、僕が運転席、その女性が助手席に座ったところで、その女性が僕に訊ねた。
「ねぇ、さすがにそろそろ教えてくれるやんな?これから何処の湖に行くの?その湖が、ゴールの湖やんな?」
「そうだね。さすがにそろそろ教えるよ。これから行くゴールの湖は、摩周湖だよ!ここからかなり遠いけど、頑張って運転するよ!」
「え~!摩周湖か~!確かに遠そうやな~。行った事ないし、めっちゃ楽しみやわ~!運転、頑張ってや~!でも、なんで摩周湖がゴールなの?」
「うん。実は、前に、付き合ってた彼女と一緒に行った時、霧が立ち込めていて、摩周湖が全然見えなかったんだよ。で、今回、霧がかかってない摩周湖を見れたら、あの人の事が完全に吹っ切れて、前に進めると思ったんだよ」
「へぇ~!そんな事があったんやね~!霧がかかってへんといいなぁ!こればっかりは運やし、霧がかかってへん事を願ってるわ~」
「うん!ありがと~!じゃあ、出発するよ~!」
僕が車を発進させ、順調に快適なスピードで走り進む。やはり摩周湖は遠く、運転に少し疲れてきたが、眠気と戦い、時々、その女性と楽しくおしゃべりしながら、何とか運転を続け、漸く摩周湖の近くの駐車スペースに到着。
二人で車から降り、テクテクと歩いて摩周湖にどんどん近付いて行く。
「いよいよ、摩周湖とご対面やな~。霧がかかってへんといいな~」
「うん!晴れてるけど、霧がかかってる事もあるし、運を天に任せて、摩周湖を見るよ!」
更に歩き進み、いよいよ摩周湖に到着。摩周湖を見ると、なんと、残念な事に、霧が立ち込めていて、摩周湖が全く見えない。僕が頭を抱えて叫ぶ。
「ぐわ~!今回も霧が立ち込めてる~!なんでだよ~!ツイてなさ過ぎだろ~!霧が無ければ、前に進めると思ったのに~!」
「そ、それは残念やったけど、よく考えてみてや。あなた、もう元カノの事、吹っ切れてるんとちゃうの?」
「え!う~ん、そういえば、君と一緒に旅をしているうちに、あの人の事を考えないようになってるなぁ。そうだね!君のお陰で、僕はもう、前に進めそうだよ!」
「うん!そうやで!あなたの顔を見て、もう吹っ切れてるって思ってたんや。もう大丈夫やで!おめでとう!」
「うん!ありがと~!でも、霧がかかってない摩周湖を見れたら、君に言いたい事があったんだよ。心に決めてるから、霧がこのまま立ち込めてたら、言えないままだよ~!」
「な、何やねんそれ!別にいいやんか!言ってや!めっちゃ気になるわ!」
「ダメだよ!言えないよ!今言ったら、上手くいかないような気がするし」
「え~!そんな事を言わんと、言ってや~!くっそ~!霧よ、消えてくれ~!私達の為にも、消えてくれ~!お願いや~!」
その女性がそう叫ぶと、なんと、びっくり仰天!霧が徐々に消え、すっかり無くなり、摩周湖が綺麗に見えるようになった。
「お~!願いが通じた~!こんな事あるんやな~!びっくりやわ~!それにしても、摩周湖、めっちゃ綺麗やな~!透き通っていて、最高~!来て良かったわ~!」
「うん!ほんとにびっくりだね~!まさか、この状況で、霧が消えて無くなるなんて、ミラクル過ぎるよ~!摩周湖、めちゃくちゃ綺麗だね~!感動してるよ~!よし!言うよ!こっちを見てくれるかな?」
「うん!心の準備は出来てるで!あ~、ドキドキしてきた~!」
二人でじ~っと見つめ合い、僕が口を開く。
「君と一緒に旅をして、君の事が好きになっちゃったよ!お願い!僕と付き合って!必ず幸せにするよ!」
僕の言葉を聞き、その女性が少し間を置いてから、ニッコリ微笑んで、僕に言ってきた。
「うん!ありがと~!その言葉を聞いて、元彼の事が一気に吹っ切れたわ!」
「やった~!すっごく嬉しい~!これで僕達、前に進めるね~!大好きだよ!」
「うん!ありがと~!私もめっちゃ嬉しいわ~!大好きやで!」
周りを見回すと、たまたま人がいなくなっていたので、このままの流れで、唇と唇をどんどん近付け、唇と唇を重ね合わせた。暫くの間、キスを続け、唇をそ~っと離し、ニッコリと微笑み合った。
「東京と大阪で、遠距離恋愛になるけど、いっぱい連絡するし、会いに行くよ!」
「うん!私、遠距離恋愛、初めてやけど、大丈夫やで!私もいっぱい連絡するし、会いに行くで!」
二人で手を繋ぎながら、摩周湖をじ~っと眺める。不思議な事に、摩周湖が、僕達を祝福してくれているような気がした。
主人公と女性が、大失恋を乗り越える為に、一緒に旅をしているうちに、互いに惹かれ合い、摩周湖で恋人同士になる事ができました。旅って、素敵ですね。皆様にも、素晴らしい旅が待っているかもしれませんね。最後まで読んで頂き、本当にありがとうございました。




