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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

ひたすら繰り返されるフタ開け閉め音

作者: ggt
掲載日:2026/07/26

 貴方は某日に某都道府県の某街で、とあるヤクザから身に覚えのないトラブルに関する元凶として、濡れ衣で拳銃をつきつけられながら脅されて、連絡道具などを服から奪われた後に、電灯と簡素な事務机とパイプ椅子、換気扇くらいしかない監禁部屋へ閉じ込められ、屈強そうな部下に見張られています。

 窓や壁時計の類はなく、扉も部下に塞がれ、パイプ椅子を鈍器代わりに用いての反逆脱走も既に阻止され、心が半ば折れてる中で、部下は貴方に命じ、中身が空となったマーマレード用のビンのフタを開けさせ、再び閉じさせます。


 何度も何度も開けさせます。その度に何度も何度も閉めさせます。

 部下の方が先に飽きて、隙を見せるやら、うたた寝するやらといった事になる事もなく、何度も何度も開けさせ、何度も何度も閉じさせます。 


 貴方が眠気に悩んでも何度も開けさせ、何度も閉めさせます。

 よだれを飲み込めず唇からたれるのすら抵抗なくなるほど脳が麻痺しはじめても何度も開けさせ、何度も閉じさせます。

 携帯電話で助けを呼びたいと思っても何度も開けさせ、何度も閉じさせます。


 いっそ異世界への転移や転生が起きれば逃げられるのにと思っていようが、何度も開けさせ、何度も閉じさせます。

 いちたすいちの計算式の解き方を思い出せなくなりつつあっても、何度も開けさせ、何度も閉じさせます。

 フタが外れる音がひたすら脳内で繰り返されても、何度も開けさせ、何度も閉めさせます。


 兄弟の顔が思い出せなくなっても、何度も開けさせ、何度も閉めさせます。

 姉妹の声が思い出せなくなっても、何度も開けさせ、何度も閉めさせます。

 母親の顔が思い出せなくなっても、何度も開けさせ、何度も閉じさせます。

 父親の顔が思い出せなくなっても、何度も開けさせ、何度も閉めさせます。

 親友の顔が思い出せなくなっても、何度も開けさせ、何度も閉めさせます。

 恩師の顔が思い出せなくなっても、何度も開けさせ、何度も閉めさせます。


 ひたすらひたすら何度も何度も開けさせ、何度も何度も閉めさせます。

 きゅきゅっきゅきゅっという、フタひねりの音にうんざりしても何度も何度も開けさせ、何度も何度も閉めさせます。

 かぽぉぉんかぽぉぉんという、フタはずれの音にげんなりしても何度も何度も開けさせ、何度も何度も閉めさせます。


 何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も開けさせ、何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も閉めさせます。


 さあ、またあの音が響きながら、2本の手でビンをひねりますよ。


 きゅきゅっきゅきゅっきゅきゅっきゅきゅっきゅきゅっきゅきゅっきゅきゅっきゅきゅっきゅきゅっきゅきゅっきゅきゅっきゅきゅっきゅきゅっきゅきゅっきゅきゅっきゅきゅっきゅきゅっきゅきゅっきゅきゅっきゅきゅっきゅきゅっきゅきゅっきゅきゅっきゅきゅっきゅきゅっきゅきゅっきゅきゅっきゅきゅっきゅきゅっきゅきゅっきゅきゅっきゅきゅっきゅきゅっきゅきゅっきゅきゅっきゅきゅっきゅきゅっきゅきゅっきゅきゅっきゅきゅっきゅきゅっきゅきゅっきゅきゅっきゅきゅっきゅきゅっきゅきゅっきゅきゅっきゅきゅっきゅきゅっきゅきゅっきゅきゅっきゅきゅっ


 かぽぉぉんかぽぉぉんかぽぉぉんかぽぉぉんかぽぉぉんかぽぉぉんかぽぉぉんかぽぉぉんかぽぉぉんかぽぉぉんかぽぉぉんかぽぉぉんかぽぉぉんかぽぉぉんかぽぉぉんかぽぉぉんかぽぉぉんかぽぉぉんかぽぉぉんかぽぉぉんかぽぉぉんかぽぉぉんかぽぉぉんかぽぉぉんかぽぉぉんかぽぉぉんかぽぉぉんかぽぉぉんかぽぉぉんかぽぉぉんかぽぉぉんかぽぉぉんかぽぉぉんかぽぉぉんかぽぉぉんかぽぉぉんかぽぉぉんかぽぉぉんかぽぉぉんかぽぉぉんかぽぉぉんかぽぉぉんかぽぉぉんかぽぉぉんかぽぉぉんかぽぉぉんかぽぉぉんかぽぉぉんかぽぉぉんかぽぉぉんかぽぉぉんかぽぉぉん


 きゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅききき


 かぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽぽぽぽ


 一体どんな執念と狂気がヤクザたちをここまで続けさせる様に仕向けるのか、貴方にソレを知る機会が来る気がしないでしょう。

 どんな怪物すらも、どんな幽霊さえも、霞んでしまいかねない異質な存在が、黒服に身を包んだ人の姿でひたすら見張り、ひたすらじっとしながら、ひたすら行わせても、貴方は抵抗のての字も思い出せるか怪しいままで従う域に陥ってるともとれます。


 ビン ヨリ サキ ニ アタマ ニ ヒビ ガ ハイル カモ シレマセンネ。


Fin?



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