プロローグ
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夢を見た。
明るいオレンジ色の髪にオレンジ色の瞳のあの子。あの子の母親とお揃いの色。
太陽のように眩しい色。なりたがっていた色。
もがいて苦しんでようやく手に入れた色。
……似合わない色。
規則正しいいつも通りの笑顔。人形のような笑顔。
その笑顔で「ごめんね」というあの子。
あの日の夢。
夢を見た。
脳裏にこびりついて離れない。汚い。穢れている。気持ちが悪い。
忘れてしまいたい。無かったことにしたい。吐き気がする赤い色。
要らないゴミは底の底にしまって。必要なのは罪と誓い。
赤い天使との誓い。破ってはならない約束。離してはならないその手。
覗いてはならない秘密の花園。
あの日の夢。
そして夢を見た。
あの子が死んだ……殺されたあの日の夢。
あの子がいない世界なんて意味がない。
絶望と安堵。空虚と解放。理想と現実。汚いは綺麗。私は汚い。誰がキレイ?
紫がかったロングの黒髪。陶器のように白い肌。腕に鎖の装飾がついた深い紫の
ミニスカートのドレス。指先だけ空いた黒い手袋。鎖がついた茶の革のブーツ。
暗闇でも輝く紫の瞳の中心は白く、花の模様に見えた。
不気味で歪な女……だった。
「生き返ってホシイ?」
あの子が生き返るなら。
「『魔女の一族』のボクならその方法、知っているよ」
あの子の為なら例え地獄に落ちたって。
あの子の為ならどんな事だってする。
それが私の愛。あの日の夢。