第1話:天才高校生は死んでしまうようです
はじめまして、ピョンきちです。はじめての小説投稿なので誤字脱字あるかもしれませんがよろしくお願いします。
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季節は夏、1人の少年がクルーズ客船の豪華な客室にいた。
「海でも見にいくか」
時刻は夜12時、本土では良い子はもう寝ている時間だ。
そう小さな声で呟きながら船の甲板に足を進める。甲板に出ると、緩やかな潮風が少年を出迎えた。甲板の端まで行くとそこに広がる景色はやはりすばらしいものだった。陸地は見えず先はただただ大海原、上を見上げると空にはあふれんばかりの星々がキラキラと命を燃やしている。その景色に圧倒されて、健太は思う
(自然のように他を圧倒できる力が欲しい、
学力だけじゃなく、その他諸々の力が欲しい
みんなは俺をすごいねとか褒め称えるけど、どれだけ努力しているか知ってるのか?もううんざりだ。執着せずに自分の力だけで生きていきたい。)
そんなことを大自然に考えさせられてから少年は甲板を降りて客室に戻る。すると船体の下の方からドカーンと音が聞こえた。数分後、部屋を慌ただしくノックする音がする。
少年はやはり何かあったのかとドアを開ける。そこには森崎家筆頭執事三菱さんがいた。
「急に押しかけて申し訳ございません。客室乗務員に先程の音の原因を尋ねると船体の最下部に爆弾で穴を開けられたようです。理由はおそらく…」
「世界に影響を及ぼす森崎財閥へのなんらかの報復か」
事実、森崎財閥は政治家、アーティスト、有名会社の社長、スポーツ選手などなどを輩出してきた名家である。当然お金もある。森崎財閥はライバル会社を買収したりして会社の規模を大きくしていった。そんなことをすると当然ライバル会社の上層部の幹部たちには恨みを買うだろう。
「はい、おそらくは」
「ここは太平洋のど真ん中、助けを呼ぶのはいいが、来るのは遅すぎる、緊急避難の小型船はなぜかない。今電話を友達にかけたけど繋がらない。ジャミングまでされているようだ。計画された犯行という線は確実みたいだな。」
「よく、ここまで動揺せずにいられますな」
「まさか、動揺を押し隠しているんだよ。僕は森崎家最高の天才だよ、こんなことで動揺していては他に示しがつかないんだよ。」
「さすがは若様ですな。しかしそれもここまでのようですな。」
「ああ、そのようだな。ここまで追い詰められたのは初めてだ。完全な詰みだな。」
少年は三菱さんと別れもう一度甲板に向かう。命の危険が迫っているのにもかかわらず、命よりも大切なものがあった。少年にとっては、自由は命よりも大切なものだった。
甲板の端に向かい、海を見る。こんな状況なのに、家族よりも大自然の景色を優先させてしまうくらい、家族との仲はひえきっていた。大海原の雄大さと星の煌めきに心を奪われていた。
そうしているうちに船体が傾く。船が沈没する。溺れる。息が苦しいとかそんなものは健太は考えていなかった。
ただただ力が欲しい、自由に生きたいと。
そうして少年、森崎健太はーーー死んだ。
もし来世があるのなら、自由に生きたいと願って
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