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災い

新年あけましておめでとうございます。

今年も沢山更新していきます!

楽しんでくださるととても嬉しいです。

 呆気にとられた物の、回避行動を取らないと死んでしまうので全力で避けて自分の元いた所を見ると、バーサーカー達が地面を粉砕していた。


「うわー……」


 全力疾走で逃げた俺を見失ったのか、バーサーカー達はその場で


「ゴガアァアア!!!」


 っとしているうちにジェネラルが近づいてきて金棒を振り下ろしてきた。その威力は当たり前のようにバーサーカーよりも強く、俺が元いた場所も余裕で粉砕された。チラッと群れの方を見ると、押し合いながら此方へとかけてくるオーガ達の姿が。

 的……俺の大きさを考えると、オーガが同時に俺に攻撃できる最大人数は4人ぐらい。どうやらオーガには協力という単語が頭の中に無いようで、俺への攻撃権を取り合っていた。


「やるよ……【ハンドレッズアロー】【インパクト】【ブラスト】」


 ナイトを重点的に狙うようにコントロールした100本の矢は俺の思い通りに飛んでいき……ナイト、残党の討伐に成功した。今残っているのは先程召喚された8体、味方を殺しちゃうレベルの脳筋集団のみだ。


「ゴガァァアアア!!!!」


 俺がジェネラルを無視して群れの方から討伐した事を怒ったのか、ジェネラルは金棒を持っていない左手で俺を掴もうと空を切り始めた。まあ、そんな乱雑な動きで俺の事を掴めるわけもなく、大きな隙となった横っ腹……ではなく、


「【ツインアロー】【ペネトレイト】」


 二つの眼球を狙う。

貫通能力が付与された二本の矢は的確に二つの眼球に突き刺さり、


「ァァアアァアア!!!!」

「刺さり甘いな……」


 ジェネラルの両目を潰す事に成功した。柔らかいだろう眼球ですら、貫けない。何もスキルを使わないで放った矢など何の効果も得られないだろう。MPがほぼすっからかんである俺の現在の攻撃方法は……


「【召喚】『グドラ』」


 ジェネラルが目を抑えている隙にグドラを召喚し、背後であるフィールドの壁付近で【苗木化】を解除させる。根っこの一番遠い部分はフィールドのほぼ中央まで到達しており、そこまでの範囲は一瞬でグドラの世界へと切り替わった。元々は土が固められた地面だったのに対し、今では毒沼の様な地面。深さはそんなに無いが、いま重要なのは毒ダメージと周囲に現れた眷属達。計16体の47レベルの眷属。レベルで言うとオーガ達より低いが、数、面倒臭さでは此方が勝る。毒による特殊攻撃にフィールドの変化を物ともしない動き、そして連携。


 リスに駆逐されるオーガの図はちょっとシュールだった。


 それと、地味に強いのがMP吸収の解除。フィールド効果であるMP吸収がグドラの世界の中にいる間は解除されていた。スキル名も世界を作り変えるだったので納得したが流石に強すぎる。魔大陸の災獣討伐のクエストが発生している身としては、グドラが一際強いだけだという事を願っている……ボードにはそんな願いを打ち砕く様な事が書かれていたような気がするが、まあ俺は何も見ていない。


「ゴガァアアァァアア!!!」

「あっ」


====================

フィールドボスを倒しました。

▼ドロップ▼

オーガジェネラルの肉×3

オーガジェネラルの牙×1

オーガフェンサーの剣×1

60000G

▼MVP報酬▼

オーガジェネラルの肉×10

オーガジェネラルの牙×2

オーガジェネラルの角×2

オーガナイトの魔石×1

8000G

====================

====================

吸魔の森中層のフィールドボスの

初討伐者になりました。

▼報酬▼

称号【初討伐者(吸魔の森中層)】

STP5

SKP5

スキルレベル限界上昇チケット×1

10000G

====================

====================

特定条件達成により、

称号【吸魔の森中層の覇者】

を獲得しました。

▼報酬▼

STP5

SKP5

スキルレベル限界上昇チケット×1

10000G

====================


 ドロップアイテムが思ったよりも少なかったが……グドラの毒で侵されたドロップアイテムを貰っても困るだけなので別に良い。

 この感じだと、気付いたらジェネラルの討伐が終わっていたとはいえ、普通であれば面倒くさい敵である事は間違いないので……中層でグドラを利用した称号狙い+MPの回復。そして、深層でサウザウンドアローで1撃殺しが次にやるべき事だ。その次が試練の森、最後に腐毒の森。まあ、腐毒の森に関しては攻略難易度が桁違いなのでそこまで心配する必要は無いだろう。

 視界に表示された『次フィールドに行きますか?』という質問に対し、『いいえ』と答え、元いた中層フィールドへと転移する。


「グドラ」


 頭上を覆っていた木々をなぎ倒しながら大きくなっていくグドラ。……本当に災獣って皆このレベルなのか気になる所では有るが、そんな事を考える暇も無く、オーガの群れとの戦闘が始まった。

 最優先目標はMPの回復。だから、スキルを使った攻撃を加える必要はない。ただひたすら連射。久しぶりな様な気もするが、称号取りは自分で討伐をする必要は無いので問題ないだろう。それよりもレベリングを歴てどんどん大きくなっていくグドラが……先程の戦闘でもグドラのレベルは2つ上がっていた。俺は1つも上がってないが、レベルが80を超えていれば仕方がないと一人で納得している。


 グドラのレベルが上がれば眷属達のレベルも上がる。

眷属達が得た経験値は全てグドラの経験値となる。

この好循環が羨ましすぎる。


 数分程すると、毒の沼に異変が起きた。


「……少し黄色く光った?」


 グドラのステータスを見ると、50を越えたレベルと、麻痺毒に関する説明も有り……グドラの凶悪性が増した。未だ麻痺の力はそこまで強くないし、俺には効かないとは言え……少し動きの鈍ったオーガの群れ。そこに突っ込む眷属達を見るともう。


「確かに災いだな……」


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