表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

83/196

人工災獣

はいどーん……どー




「…ここ何処?」


 気が付くと、全く知らない所へと移動していた。壁が水で出来た洞窟…というよりも、水族館の海中トンネルというのが正しい様な空間。魚は一匹も見当たらないが、足元に有る魔法陣の光、道の先まで有る回路のような良く分からない光が幻想的な世界を作り上げていた。


「…これ」


 地面は土では無く、石で出来たタイル。傷一つ、ホコリ一つ無い空間に……


『__知的生命体を確認』

『設備を起動します』


====================

特定条件を満たしました。

【起動者(災獣研究所)】を獲得しました。

▼報酬▼

STP5

SKP5

スキルレベル限界上昇チケット×1

10000G

====================


『__付与__対災獣装備権限』


====================

特定条件を満たしました。

【装備権限】を獲得しました。

▼報酬▼

STP5

SKP5

スキルレベル限界上昇チケット×1

10000G

====================


 無機質な音声と共に足元に浮遊する円盤の様な物が発生した。


「……乗って大丈夫、だよな?」


 取り敢えず足を乗せ、急に動き出しても問題ないように足腰に力を入れる…が、そんな意味もなかったようで、反動もなく凄い速度で動き始めた。


 30秒程経ったタイミングで壁と広間になっている部分が見え、そこにたどり着くと共に円盤は止まり地面へと消えていった。広間の中心部には魔法陣が存在しており…


「これを行けば良いんだよな?」


 その魔法陣を起動していった先には部屋があった。


 いくつも存在する培養槽には、グドラの様な苗木や蟻の様な虫。何かの欠片やアメーバの様な物などが培養されており、所々空中に浮かぶボードには観察経過、”人工災獣”『レッサーザラタン』の作成方法。レッサーザラタンの元であるザラタンに関わる情報が乗せられていたり、旧人大陸。現在の魔大陸における人類の歴史、災獣の詳細情報。様々な事が書かれていた。


「……これ、知っていい奴?」


 ついぞや使われることはなかった新大陸の人工守護神獣に関する情報。『Black Haze』のちょっとした開発過程。俺が全く理解できないような内容が沢山書かれていた。


「それに……」


 壁にかけられている沢山のリング。それぞれの前に一つずつボード浮遊しており、それぞれに対応した災獣の事が書かれていた。中には対ポイズンマザーツリーのリング。毒完全無効を装備者に付与するリングもあれば、対ザラタンの水中行動を付与するリング…欲しいなそれ。


 因みに、全てのリングがアイテムボックスの様な役割と身体強化の役割も持っている。


「これもらっていいの?」

『是__現在生存が確認されている唯一個体には何としてでも旧人大陸を取り戻していただく必要があります』


====================

特殊ワールドクエストが発生しました。

『旧人類の悲願』

クエスト達成条件は、

魔大陸の災獣の討伐

0/100





です。

====================


「……俺以外にいくらでも生きてる人いるよ」

『__付与__認識阻害』

『訂__唯一試練踏破者』

「……」


 試練…と言われても、レッサーザラタンを倒した事ぐらいしか思いつかないし、あれは俺一人でやった事では無い。俺だけが此処に来るという事はないだろう。だとすると…災獣自体を使役している事か?……それだと逆に殺される気すらするからそれは無いか。


「質問をしても?」

『許』


 未だに何処から声を発しているのか全くわからない声の主に対し、質問する。


「試練の内容は?」

『1__真の災獣の戦いを長時間見ている』

『2__レッサーザラタンを単独で討伐しうる力を持っている』

『3__『竜王』『獣王』『精霊王』いずれかと関わりが有る』

『4__『竜』『獣』『精霊』いずれかに敬愛を抱いている』


 1、2の理由は何となく理解できるが、3、4の理由が一切理解できない。災獣を倒すだけであれば、『竜』『獣』『精霊』……あれ?


「『Black Haze』の発明ってなんで許されたんだ……?」


 スイさんが前に説明していた通りなら、『Black Haze』は元から『竜』『獣』『精霊』いずれかを支配して使う為に開発されたらしいのに、試練の踏破にはそれらに敬愛を抱いている必要が有る。敬愛を抱いている相手を支配して使うとは考えづらいので……どうやってもこの研究所の作成者は試練を踏破出来なくなってしまう。

 ……。


「質問、この研究所は『Black Haze』を開発していた?」

『否__此処は『災獣研究所』。災獣の力を利用する方法のみを開発していました』

「……」


 災獣という滅びを招く生物の目の前で一致団結しないって……そりゃ滅ぶ。

ボードを色々と見てみれば、『Black Haze』の開発を邪魔する方法やら、此方の大陸に移動して研究所を作った理由……まあ、向こうで邪魔された事に関する情報も書かれている。


「……なんか、もう少し纏まれなかったの?」

『解__宗教、科学様々な要因が有りますが説明いたしますか?』

「大丈夫」


 まあ、なんだ。

やっぱり俺には理解できないようだ。

尚、レンジが泳げて溺れていなかった場合起動できていなかった模様。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[気になる点] 真の災獣の戦いって何処で出てました?
[一言] ご都合主義の神的な確率でのチート能力ゲット まさしくなろうですね
[一言] 絶妙な確率だな
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ